頓挫した交流拠点づくりから何を学ぶか2023年02月08日

 1月末に交流拠点づくりの地区代表者会議が開催され、最終的に市の補助金申請を前提とした拠点づくりの断念と、地区代表者会議と検討委員会の解散が承認された。
 丸3年間をかけた取組みの中心的な役割を担ってきた身には何とも切なくて悔いの残る結末だった。とはいえ悔いてばかりもいられない。拠点づくりを通して得られた貴重な教訓は、新たな地域福祉活動の方向性を示唆している。ぜひともこれを地区社協活動に活かしていきたい。”ピンチをチャンスに”である。
 交流拠点という公的補助金申請を前提とした新たな事業を立ち上げる上で「地域の合意形成」が欠かせない。そのため対象地区の二つの自治会を始め青愛協、SC21、老人会等の地域組織(地縁組織)や、つどい場、障害者家族会等の自主活動グループ(志縁組織)による協議決定の枠組みでスタートした。最終的にこの枠組みでの「地域合意」が得られなかった。関係者間の補助金の大きさがもたらす主導権争いや思惑が影を落としたようにも思えた。
 反面で、取組みの過程で様々な地域の状況が把握できた。地域組織の多くが会員の減少や役員の欠員という事態に直面している。他方で多様な自主活動グループが地域で活発な活動を展開している。「地縁組織から志縁組織へ」という地域活動のトレンドである。
 このトレンドを折り込んだ地区社協の新たな脱皮が求められている。対象地区の住民の共感を呼ぶ活動や事業の一層の取り組みが必要だ。地区社協の各事業部の自主的な新たな活動を促したい。その集大成として年一回、事業部合同の活動紹介イベントを開催し、地域住民の皆さんに地区社協活動の全体像をお伝えしたい。また新たな地域活動を志す個人やグループに対して「会場」「広報」「費用」等を支援する事業も着手したい。地域の新たな活動と人材の発掘であり、地区社協とのつながりづくりとなる。
 こうした取組みは地縁組織である地区社協の新たな性格や機能を追加する。地縁組織から志縁組織に向かう過渡期の性格を帯びてくる。地区社協が地域の様々な自主活動の土台となるいわば「プラットホーム」の機能への脱皮を意味している。
 自治会等の典型的な地縁組織との過度な期待や連携はいたずらに摩擦や混乱を招きかねないことを学んだ。補助金申請等の事業への参入も主導権争いや地域に対立と分断を招きかねない。要は地区社協として共感される理念を掲げて裾野を広く足場を固めて自立することこそが課題である。そのためのコンセプトがプラットホームと言える。

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