別荘の天然温泉とこんにゃく懐石の昼食2009年03月29日

 家内と一緒に兵庫県但馬地方の朝来市の知人の別荘を訊ねた。朝8時前に自宅を出て中国道、播但有料道路を乗り継いで1時間20分で到着した。天然温泉付きの分譲別荘地「たたらぎの郷」の一角にあった。丸山川支流の小川が流れるのどかな里山の中に建っている。
 段差のある敷地の階段を上り、木造デッキ付きの2DKの平屋に迎えられた。築3年のまだ新しい建物は内風呂と露天風呂を備えた贅沢な造りである。しばらく談笑した後、何よりの馳走である天然温泉に浸からせてもらった。
 家屋の奥のドアを開けると、木の温もりに包まれた庇と、山すその杉林を遮るよしず塀に囲まれた露天風呂の空間があった。浴槽を囲む坪庭が日本的な風情をかもしている。薄黄土色の湯に満たされた湯船にそっと足を入れる。思いのほか深い湯船にゆっくり足を伸ばして全身を委ねる。ひと時を露天の寒さに晒された肌を、少し熱めに感じさせる湯が包んでくれる。湯船の中で膝を抱えた手が滑った。驚くばかりの湯のぬめりにあらためて天然温泉の湯を実感する。湯船からの眺めも格別だった。よしずの背後にむき出しの山林が迫っている。野趣溢れる風景の中の入浴が、ひと際寛ぎと癒しをもたらしてくれる。 
 風呂から上がって、もうひとつの楽しみに出かけた。この近くにある日本屈指の山城・竹田城址の見学である。想像を遥かに超える史跡だった。「日本のマチュピチュ」ともいわれるのもむべなるかなである。一回のブログでその感動を記事にするには無理がある。明日のブログに委ねよう。
 竹田城址を見終えて食事とお買物に向った。知人のお勧めの「ドライブイン・但馬パオパオ」に立ち寄る。この地方の物産を一堂に集め、大勢の買い物客で賑わう活気のある店だった。3匹500円の新鮮な海鼠(なまこ)に思わず手が出てしまった。その向かいの「こんにゃく懐石・一粒」という店が知人の昼食予約の店だった。国道9号線沿いのしもた屋風の一軒家の奥に玄関がある。仲居さんの解説つきで次々と運ばれる料理は全てこんにゃく素材である。こんにゃくの突出し、刺身こんにゃく、つみれこんにゃくとこんにゃくうどんの鍋、こんにゃく入りふりかけのご飯と続き、締めはこんにゃく羊羹のデザートというコースだった。一品一品に手間ひまかけた味わいが伝わる料理だった。昼食後、9号線向いの「但馬牛の専門店・太田屋」に立ち寄った。娘の土産にと飛び切りのすき焼き牛をポケットマネーをはたいて求めた。
 別荘に帰り、すっかりご馳走になった知人ご夫婦と別れを告げ帰路に着いた。播但有料道路の朝来ICに入ってすぐのところの朝来SA内の「道の駅・フレッシュあさご」に立ち寄った。再び地元産品のお買物。中国道に入って思い立った。途中の滝野社IC近くに在住の大学時代の先輩に携帯電話で連絡した。突然の訪問打診に快く応じてもらい、20分後にはお宅にお邪魔した。癒しと感動、美味しさと楽しさ・・・欲張りで有意義な初春の日曜日だった。