復刻版日記⑨通勤電車バカヤロー物語「二人のオヤジのLOVE・LOVEチャンス」2009年11月14日

(1999年6月24日の日記より)
 某月某日、バスの遅れでいつものJRの座れる筈の鈍行電車に乗り遅れる。次の快速電車のシートは予想通り満席。仕方なく吊革に捉まり、ついつい座席の乗客たちの様子を窺う。心の呟き『この人たち、次の駅で降りるのかナ~』。永年のサラリーマン生活の哀しい性(さが)か?
 眼下の座席には60代の商売人風のオヤジと50代のサラリーマン風のオヤジが共に眠りこけている。相当深い眠りのようだ。ナント、相互に支え合った二人の頭はピッタシくっついている。顔の角度さえ変わればキスだってできそう。オヤジ同志の白昼のLOVE・LOVEシーンは不気味そのものだ。本人たちは無邪気に半ば口を開け、かすかにいびきすらかいている。電車が駅に発着するたびに相当なユサブリがある。そのたびに私は心の中で祈っていた。二人が(せめて片方が)目覚めて、我が身を取り巻くオドロオドロシイ光景に愕然とすることを・・・。しかし彼らの絆は予想を超えて強固なものだった。ついに期待した光景は目に出来ないまま(おまけに結局彼らが先に下車して私が座るという幸運にもありつけないまま)空しく下車駅に到着。
 「バカヤロー!通勤電車で眠りこける時は周囲の迷惑も考えろッ!」と、言いがかりともいうべき呟きを吐きながら下車した。

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