復刻版日記⑫通勤電車バカヤロー物語「Mrオタッキー、アンタの勝ッ!」2009年11月27日

(1999年7月7日の日記より)
 某月、某日の朝7時過ぎのJR伊丹駅付近の車中。「イ~タァミ~ッ、イ~タァミ~ッです。出口は左側になります。伊丹を出ますと次は尼崎に停まります」。突然、車掌の車内アナウンスが・・・、しかもすぐそばで。思わず辺りを見回す。それらしき姿はない。ナンデ!?声の主を発見。二十歳過ぎの神経質そうな青年だ。JRの車内放送のアノ独特のアナウンス口調でひたすら発声し続けている。ドアの側に立って車窓を眺めながら・・・。話す内容の正確さといい、口調のそれらしさといい、本物顔負けのレベルである。相当な修行を積んだ車掌オタクとみた。停車駅が近づき本物の車掌のマイクを通した車内アナウンスがオタッキーのアナウンスを妨害する。思わず二人の掛け合いの審判をしてしまう。Mr.オタッキー、アンタの勝ちッ!!
 車内アナウンスの競演を乗せて電車は尼崎駅に到着。ホームに降り立ったMr.オタッキーは、今度は駅員に早変わり。電車の開いたドアを片手で押さえて乗客たちに注意を促すアナウンス。発車ベルにあわせて指差し点検までやってしまう。ドアが閉まり、動き出す電車を見送るMr.オタッキー。その姿は一仕事終えた満足感に浸っているかに見えた。

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