夫婦旅・・・日常同伴の非日常時間2010年08月21日

 昨日、三泊四日の信州リゾートツアーから帰った。久々に夫婦で参加したツアーだった。バス1台分満席の45名の同行者のほとんどが私たち同様のリタイヤ組の年配のご夫婦だ。
 バス車中や食事中はツアー仲間のご夫婦との交流の機会でもある。その顔ぶれはその都度入れ替わり、様々の夫婦の形を目撃することになる。時に夫婦の力関係が見え隠れして面白い。それでも共通して感じられるのは永年に渡って積み上げられ、それなりに安定し落ち着いた関係だ。もっともそうした関係が維持されている夫婦だからこそ、こうしたツアーに参加できるともいえる。その意味では夫婦旅は永年に渡るお互いの破綻回避の努力に対する報酬なのかもしれない。
 とはいえ、そもそも旅とは「非日常の時間と空間」を愉しむことにある筈だ。その非日常の時間と空間に、日常そのものである配偶者が四六時中同伴しているのが夫婦旅である。旅の愉しさも半減するのではないかという気がしないでもないが、そこは齢を重ねた世代である。非日常の緊張感の中の安定感や安らぎに憩う気分がないではない。「青年は荒野をめざす」かもしれないが、「老夫婦は草原に憩う」のがせいぜいなのだろう。