有馬川の景色が一変した2010年08月11日

  毎年この時期になると有馬川の景色が一変する。両岸や河川敷の伸び放題に伸びていた野草が薙ぎ払われ、突如として解放感のあるすっきりした景色に変貌する。公共事業の一種なのだろう。
 ここ数日そんな風景が北の下流から上流に広がってきた。作業途中の河川敷に据えられたフォークリフトの長い腕が岸に伸びていた。その手前のならされて平坦になった河川敷に一本の鬼ゆりがポツンと立っていた。フォークリフトのドライバーの優しさなのだろうか。明らかにその一輪だけを残しておきたいという意図が窺えた。見過ごしてしまいそうな何でもない光景が、奇妙な安らぎを運んでくれた。
 住宅街に戻ってきた。坂道の正面の灰色の空に鮮やかな虹が浮かんでいた。久々に目にした虹だった。七色の架け橋は、いくつになっても心癒される自然の造形物だった。