秋色2013年08月29日

 6時前に家を出た。住宅街の丘陵を降りる坂道にやってきた。快晴の東の空が一面の小さな綿雲で覆われている。秋の空だ。先日までの猛暑だった頃の空の風景が一変している。
 日曜日に襲来したゲリラ豪雨を境に、真夏の舞台が回転し秋の舞台に鮮やかに切替わった。散歩を終えて汗だくの身体をシャワーで流すこともなくなった。温暖化で季節感が薄らいでいる。ゲリラ豪雨は東南アジアのスコールを思わせる。日本も亜熱帯気候に入ったのだろうか。そんな懸念の中の鮮やかな秋の到来だった。日本の四季は尚健在だった。
 散歩道の定番コースから寄り道して栗の木の様子を見に行った。路上に転がっている幾つもの栗のイガの中に、イガからこぼれ落ちた若々しい栗の実を一個だけ見つけた。秋色の確かな足取りがここにもあった。