進むワクチン接種と感染拡大のギャップ2021年07月31日

 国際的にも遅れていた日本のコロナワクチン接種がようやく進んできた。7月28日現在で2回の接種を終えた人数の割合は27%で、高齢者に限れば71.5%のことだ(NHKホームページの特設サイト)。ワクチン接種が進めばコロナ感染も順調に押さえ込めるものと楽観していた。待ち望んでいた友人・知人たちとの呑み会も再開できるという期待も募っていた。
 ところが事態は一向に改善されないばかりか、むしろ悪化の気配が濃厚である。連日、メディアは感染者数が過去最多を重ねていると伝えている。とりわけ東京都の感染状況は最悪の事態を迎えている。進むワクチン接種と感染拡大のギャップに戸惑いと落胆に打ちひしがれる。
 このギャップの背景は何なのかと思いめぐらした。①ワクチン未接種の若年層の感染拡大が激増している②ワクチン不足や配布の目詰まりで思うようにワクチン接種が進んでいない③デルタ株等の感染力の強い変異株が感染拡大に拍車をかけている④緊急事態宣言等の長い行動抑制が国民の自粛疲れを招き抑制効果が薄らいでいる④東京オリンピックの開催で関東圏を中心に多国籍の人の流れが増えたことが感染を押し上げている。
 この事態をどう受け止めればよいのか。直感的に日本は二流の国になり下がったのではないかと思った。ワクチン開発もできていない。ワクチン入手も後れを取っている。ワクチン配布の仕組みやシステムもあちこちで綻びがある。医療体制も病床確保が破綻に瀕している。保健所等の施設や職員数も無謀な行政改革のしわ寄せをまともに受けて危機的である。感染抑制の対策も国民に一方的な自粛を繰り返すばかりで有効な施策が講じられない。コロナ禍を巡るお粗末すぎるインフラを目にして、二流国になり下がったと感じてしまう。
 そんな日本で五輪開催中である。五輪後の宴の後の副作用の到来のないことを祈るばかりだ。

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