塩野七生著「ローマ人の物語11」 ― 2023年06月27日

「ローマ人の物語・第11巻」を再読した。古代ローマの傑出した英雄であるユリウス・カエサルシリーズの第4巻である。ガリア制服を成し遂げた英雄カエサルはローマの元老院派から「元老院最終勧告」という武装解除した上での帰国を命じられる。かねてからローマの統治のあり方を巡りカエサルと元老院派の抜きがたい確執がある。元老院の命令に対してカエサルはローマ本国とガリアを隔てる国境・ルビコン川を軍勢を率いて渡るという国法違反を示すことで元老院派との戦いを決断する。
元老院派の盟主はかつてカエサルとともに二頭政治を担った盟友ポンペイウスである。当時のローマ世界で圧倒的な軍事的手腕を持ったリーダー二人のローマ世界の派遣を賭けた壮大な闘いが始まった。
カエサルの想定外のルビコン渡河に狼狽した元老院派は首都ローマを脱出し、カエサルは一気にイタリア半島を掌握する。ポンペイウスはギリシャを拠点にカエサルとの決戦に備える。ここに至ってローマの内戦は小アジア、北アフリカ、スペインを支配下に置くポンペイウスと、イタリア半島とガリアを支配下に置くカエサルによる地中海世界全域の闘いにエスカレートする。
軍事力、経済力では圧倒的に有利なポンペイウスが優勢に闘いを進めカエサルを追い詰めていく。ところがこの流れを一気に覆したのがギリシャ半島中南部で展開された”ファルサルスの会戦”だった。カエサルは歩兵は4.7万対2.2万、騎兵は7千対千という圧倒的に不利な戦力の闘いを制した。少数の騎馬兵の機動力と戦闘経験豊かな重装歩兵の重厚な闘いを展開させたカエサルの戦略の勝利だった。
この巻の全編を通じて英雄カエサルの圧倒的な力量を思い知らされた。古今東西の歴史上類を見ないこれほど偉大な人物像を描き切った著者の筆力にも脱帽するほかはない。
元老院派の盟主はかつてカエサルとともに二頭政治を担った盟友ポンペイウスである。当時のローマ世界で圧倒的な軍事的手腕を持ったリーダー二人のローマ世界の派遣を賭けた壮大な闘いが始まった。
カエサルの想定外のルビコン渡河に狼狽した元老院派は首都ローマを脱出し、カエサルは一気にイタリア半島を掌握する。ポンペイウスはギリシャを拠点にカエサルとの決戦に備える。ここに至ってローマの内戦は小アジア、北アフリカ、スペインを支配下に置くポンペイウスと、イタリア半島とガリアを支配下に置くカエサルによる地中海世界全域の闘いにエスカレートする。
軍事力、経済力では圧倒的に有利なポンペイウスが優勢に闘いを進めカエサルを追い詰めていく。ところがこの流れを一気に覆したのがギリシャ半島中南部で展開された”ファルサルスの会戦”だった。カエサルは歩兵は4.7万対2.2万、騎兵は7千対千という圧倒的に不利な戦力の闘いを制した。少数の騎馬兵の機動力と戦闘経験豊かな重装歩兵の重厚な闘いを展開させたカエサルの戦略の勝利だった。
この巻の全編を通じて英雄カエサルの圧倒的な力量を思い知らされた。古今東西の歴史上類を見ないこれほど偉大な人物像を描き切った著者の筆力にも脱帽するほかはない。
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