やっと入院中の弟と対面が叶った2023年07月21日

 弟が3月初めに脊椎下部の仙骨骨折で手術をした。4月中頃ににリハビリテーション病院に転院しオンラインの面会ができたのは4月末だった。その後、胃ろうの手術のために7月11日に「はりま病院」に転院し、翌日に無事手術を終えた。
 転院後の病院では短時間ながら対面の面会ができるようになった。日々の面会の模様が奥さんからメールで伝えられた。術後の経過は順調とのことだった。術後1週間が経過し病状も安定しているようなので家内と一緒にお見舞いに出かけた。
 病院は弟の自宅から車で10分ばかりの距離である。お見舞い前に弟宅を訪ねて奥さんから詳しい経過や今後の見通しを聞いた。我が家に戻ることが弟の切実な願いである。弟の居室は在宅介護を想定して模様替えが進められていた。30分ばかり滞在し病院に向かった。
 病院3階のナースステーション横の4人部屋の病室に入った。ベッドに横たわる弟の眠っている姿を目にした。長い入院生活で頬がこけやつれた風貌は拭い難い。それでも想像以上に顔色や肌つやが良く元気そうな印象だった。眠っている弟に顔を寄せて声を掛け肩をゆすって目覚めを促した。ようやく目覚めて目を合わしたが目の前のできごとを理解するまで多少の時間を要した。何度か私の名前を告げて話しかけると、聞き取りにくい言葉がついて出た。会話にならないやりとりを重ねるうちに口にする言葉の内容が理解できるようになった。
 入院生活が大変だったこと。奥さんの献身的な世話に感謝していること。看護師さんたちへの感謝。私の健康に対する気遣い。自宅に戻って生活できることの願い。孫たちの学業での頑張り等々、オンライン面会の時よりはるかに情緒が安定している。
 途中で弟の脚の細さが目についた。足首辺りの太さは直径5cmほどしかない。在宅生活では歩行や車いす使用は欠かせない。そのための最低限の脚力が戻ることを祈らずにはおれなかった。担当の看護士さんたちとも言葉を交わせた。どの方も気さくで患者に対する気遣いに溢れていた。良い看護師さんに恵まれていることは看護師さんたちと弟との会話でも伝わった。
 指定された20分の面会時間があっという間に過ぎた。看護師さんからの特段の指示もないので多少の延長は黙認してもらえるものと判断した。それでもさすがに10分以上の延長ははばかられた。入室から30分程経って病室を後にした。
 気がかりだった弟との面会が想定外に良い形で終えられたことを喜びながら帰路に着いた。