「えらいことになってますな」耳鼻咽喉科医の一言2008年08月02日

 診察受付終了間際の待合室は、子供たちとその母親たちで混み合っていた。昨晩の19時頃、私は最寄りの耳鼻咽喉科の医院の待合室にいた。
 二三日前から唾を飲んだ時に喉の痛みを覚えていた。風邪を引いた時によく経験するあの痛みである。ところが風邪の自覚症状はまったくない。家内に話すとちゃんと専門の医者に診てもらおうということになった。右手親指爪の黒ずみを永く放置した末、専門医で受診して悪性黒色腫(メラノーマ)という皮膚癌発症の事実を突きつけられた苦い経験がある。手術後1年半が経過し、癌転移の不安にナーバスになっていることは否定しがたい。
 駆け込み受診者である私の診察順が巡ってきたのは8時前だった。問診票を見ながら40代の医師が話しかける。「そうですか。大変だったですね。メラノーマは咽喉部でも時々見つかるんです。じゃあしっかり調べましょう」と、もっとも気にしていたことをこともなげに言う。そして最初に耳を覗きながら声を上げる。「えらことになってますな」(ビクッ)。「耳垢で穴が詰まってますがな」。そして耳掻きで掃除を済ませた成果を見せてくれる。ティッシュペーパーには1センチほどもある黒い耳垢の山が載せられている。「これじゃ耳が聞こえにくかったんじゃないですか」。なるほど思い当たることしきりである。いよいよ喉の検査が始まる。先端が黄色く光るファイバースコープが鼻の穴から挿入される。決して気持ちの良いものではない。鼻の穴に突っ込まれた異物の違和感に耐えながら医師の宣告を待つ。「扁桃腺に炎症が見られますが悪性のものはどこにもありません。風邪の初期症状かもしれません。薬で二三日もすればおさまるでしょう」。ヨカッタ~ッ。ヤッパリ早目に専門医で受診して正解だった。
 帰宅後、抗生物質の錠剤を呑み、一夜明けた。今朝の食事では喉の痛みはかなり治まっている。