久々の雪景色の散歩道2017年01月15日

 昨日から寒波来襲である。昨晩から久々に雪も降っていた。早朝6時半、万全の防寒具に身を包み玄関をでた。まだ薄暗い住宅街の真っ白な路面には街灯に照らされた二三本のタイヤ痕が浮かんでいた。久々の雪景色には心躍ろされるものがある。
 住宅街を抜けて有馬川堤に出た。こちらの路面はさすがに純白のベールに覆われて人の痕跡は何もない。時とともに明るさを滲ませてきた白紙のキャンパスに私の足跡だけが刻印を記していく。カシャカシャと記される刻印にときめいた。
 中国道のガード下を潜り抜けた先で、薄暮から抜け出した別世界のような光景を目にした。一面の広々とした景観が雪化粧を纏って広がっている。有馬川と田圃に挟まれた土手道が、雪に覆われて太くて鮮やかなペイント状に描かれている。その先の愛宕橋袂には見事な枝張りの古木が立っている。黒い骨しかない古木が白亜の風景の中でひときわ存在感を誇示していた。対岸の国道沿いに建ち並んだ店舗の灯りが雪景色に吸収されるように輝きを失くそうとしていた。
 スマホ用手袋に指先をかじかませながら雪景色の散歩道を歩いた。