合同労組の社会的役割 ― 2010年10月06日
先日、大阪労働委員会である事件の4回目の不当労働行為申立ての第4回調査があった。6月に審査が始まり既に4か月が経過した。委員会としては和解か命令交付かを見極め、今後の審査計画を固める時期を迎えている。そんな状況下で冒頭、労使双方に個別に今後の進め方についての率直な意向を打診した。
事件は、ある市の公共施設のメンテナンスを受託した企業の労働者の解雇を巡る合同労組の申立てである。典型的な合同労組による個別労使紛争事件と思われた。労組側の意向打診では「自ら積極的に和解を求めるということではないが、納得できる解決金提示があれば和解そのものはやぶさかでない」ということだった。使用者側代理人は「早期解決を希望している。当事者の原職復帰は困難だが金銭和解の用意はある」とのことだった。
これまで担当したいくつかの合同労組の個別労使紛争事件の経験が、可能な限り和解による解決が当事者双方にとっても好ましいことを教えていた。個別の聞き取りでも積極的に和解による解決の努力を双方に促した。
調査終了後、組合役員から労働者委員である私に「時間を頂けないか」との申し入れがあった。控室で紛争当事者も含めた三人で懇談した。使用者側の意向も伝えながら再度和解努力を要請した。組合役員から返された言葉に合同労組のもつ社会的役割を教えられた。「趣旨は理解できますが、何が何でも和解という姿勢ではありません。この会社は公共事業を受託しながら、従業員には不当な労働条件やずさんな労務管理を強いています。使用者の不当性を明らかにする労働委員会の命令が出れば、それを梃子に委託業者への改善指導を市にも要請できる強力な武器となります。当事者本人の処遇と同時に、受託業者の労働者たちの環境改善も労働組合の役割ですから」。
「目から鱗」の想いを抱かされた。個別紛争が普遍性を帯びた取り組みに転化できる事例があることを教えられた。
事件は、ある市の公共施設のメンテナンスを受託した企業の労働者の解雇を巡る合同労組の申立てである。典型的な合同労組による個別労使紛争事件と思われた。労組側の意向打診では「自ら積極的に和解を求めるということではないが、納得できる解決金提示があれば和解そのものはやぶさかでない」ということだった。使用者側代理人は「早期解決を希望している。当事者の原職復帰は困難だが金銭和解の用意はある」とのことだった。
これまで担当したいくつかの合同労組の個別労使紛争事件の経験が、可能な限り和解による解決が当事者双方にとっても好ましいことを教えていた。個別の聞き取りでも積極的に和解による解決の努力を双方に促した。
調査終了後、組合役員から労働者委員である私に「時間を頂けないか」との申し入れがあった。控室で紛争当事者も含めた三人で懇談した。使用者側の意向も伝えながら再度和解努力を要請した。組合役員から返された言葉に合同労組のもつ社会的役割を教えられた。「趣旨は理解できますが、何が何でも和解という姿勢ではありません。この会社は公共事業を受託しながら、従業員には不当な労働条件やずさんな労務管理を強いています。使用者の不当性を明らかにする労働委員会の命令が出れば、それを梃子に委託業者への改善指導を市にも要請できる強力な武器となります。当事者本人の処遇と同時に、受託業者の労働者たちの環境改善も労働組合の役割ですから」。
「目から鱗」の想いを抱かされた。個別紛争が普遍性を帯びた取り組みに転化できる事例があることを教えられた。
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