大学サークル同窓会・・・帰ってきた青春2010年10月17日

 昨日、大学サークルの同窓会があった。JR岡山駅近くのホテルが会場だった。1時半に自宅を出てJR三宮駅から在来線で岡山駅に向った。大学生活の最初の半年間、実家のあった姫路から岡山までを2時間かけて通学した。以来40数年を経てリタイヤした身となった。たっぷり時間はある。思い出の通学風景をあらためて車窓から眺めたいと思った。山陽本線が岡山県に入った最初の駅「三石」に着いた。思い出深い駅だが、それはあらためて記事にしよう。
 会場のメルパルクOKAYAMAには開催時間の1時間前に到着。出席者は私を最年少に3年先輩までの7名の皆さんだ。リタイヤ世代の同窓会は誰もが早目に到着する。予定より30分早く5時半に開宴した。乾杯後ひとしきり雑談した後、参加者それぞれの近況報告となる。
 私の報告を皮切りに席順に報告があった。自治体幹部職員退職後、農業に従事しながら農業専門学校で本格的に学習を始めたTTさん。民生委員、交通補導員などのボランティア活動の傍ら犬の育成に新たな生きがいを見出しているTHさん。市会、県会議員歴任後、NPO事業を立上げ忙しい毎日を送っているNOさん。学生時代、朝日訴訟や国際共通語エスペラントの活動に取組み、今は童話「葉っぱのフレディー」の翻訳の間違いを糺すという誰もが見過ごしてしまいそうだが、かけがいのないテーマにこだわり続けるTOさん。最後に今回の幹事役のお二人の報告である。今も現役の弁護士でハンセン病国家賠償訴訟に力を尽くすAHさんからは大病の体験なども報告された。2年前に深刻な胃がんを発病しその後の闘病で見事に社会復帰を果たしたHOさん。今回の同窓会はHOさんを励ます会でもあった。
 参加者の近況報告は、学生時代のサークル活動で理解し合った各々の個性を見事に蘇らせるものだった。それぞれの人格を認め合いながらせめぎ合ったサークル活動での論争が更に新たな人格を磨きあげていた。サークルのそうした風土と活動の蓄積がその後の人生にはかりしれない影響を及ぼしていたことをあらためて思い知らされた。
 予定時間をはるかにオーバーして9時半にお開きとなった。会場を後にし、一旦JR岡山駅で解散した。私を含め遠方から来訪の三名は幹事手配の駅前のビジネスホテルにチェックインした。チェックイン後、物足りなさを感じていた三人は、駅前の飲み屋を求めて再び散策した。赤提灯を見つけて生ビールのほろ酔いセットをオーダーし、論争再開となる。私以外のお二人は農業従事者である。自ずとテーマは日本の農業再生の在り方という大層なものになる。口角泡を飛ばした後、10時半閉店の店を後にホテルに戻った。40数年ぶりの「帰ってきた青春」をかみしめながらベッドに着いた。