船坂ビエンナーレ20102010年10月23日

 朝一番に家内を伴ってマイカーで船坂のビエンナーレに出かけた。昨年の経験から土地勘はある。9時45分頃に船坂に到着し、善照寺西側の広場に駐車した。真っ先に船坂小学校の総合案内所で散策マップを手に入れる。
 総合案内所のあるランチルーム棟には、最初の作品「生きろ村」がある。すぐ上の校舎の教室を舞台とした作品群を見て回る。ボランティアの地元のご婦人方が要所に詰めている。昨年以上に地元の力の入れようが伝わってくる。小さな部屋の壁面を白いワイシャツを固めたブロックで覆った作品があった。真ん中に白い椅子がポツンと置かれている。何を訴えたいのかわからない。なぜかアウシュビッツの処刑場のイメージが浮かんだ。見る者に自由に想像の翼を広げてもらうことこそ作家の意図なのかもしれない。
 校庭東の通用口から畦道を南に下って棚田エリアに入った。大多田川のせせらぎを跨ぐように赤い糸の造形三体の作品があった。棚田の入口近くの畦道で家内が悲鳴をあげた。50cmほどの蛇がうずくまっていた。その先には「まむしに注意」の行き届いた?小さな看板が絶妙のタイミングで立っていた。それにしても気持ちが良い棚田の散策である。作品群が見事に田園風景の中に溶け込んでいる。迂闊に過ごすと見落としそうな展示スタイルはまるでウォークラリーを思わせる。棚田の頂上付近の作品前で知人に出会い雑談した。船坂の長老ともいうべき方だ。イベントの合間の畑仕事の最中だった。萱葺屋根の古民家にやってきた。休みなく続く古民家再生プロジェクトの取組みが昨年に続いて紹介されている。
 有馬街道から西に向い船坂川手前の道を北に入ると湯山古道エリアになる。船坂川を挟んで両脇の作品を確認し、東に向う。萱葺の古民家の並ぶ一角に作品群をおさめた展示場を兼ねた古民家がある。萱葺屋根自体が作品なのだろう。屋根の左右には色とりどりのバンドエイドの形状の布で覆われている。屋内には三つの作品餓展示されている。
 山王神社手前の小路を左に折れた先に駐車場がある。その前を抜けて善照寺東側の二つの作品を見た。総合案内所に戻りアンケートを提出して駐車場に戻る。昼食を娘と一緒に外食することにしている。そのため2時間足らずの駆け足のアート散策だった。うっすらと心地良い汗を滲ませた秋の憩いのひと時を終えた