地域を支える三つの層2016年09月22日

 超高齢社会を迎えて地域での支え合いが差し迫ったテーマになってきた。従来、地域活動は主として子育てを卒業した専業主婦の皆さんたちによって支えられてきたように思う。20年以上前から社協分区や地区青愛協の設立に関わったり比較的若い年代から民生委員を引き受けたりしながら永年に渡って地域を支えてもらった。
 そうした皆さんは、今や60代後半から70代になり、迫りくる超高齢社会の荒波に立ち向かうには心もとない年代に差し掛かっている。地域を支える活動層の高齢化と固定化という課題に直面している。新たな活動層の発掘や参入が不可欠である。想定される活動層は、団塊世代のリタイヤおじさんと子育て卒業母さんたちだ。
 団塊世代のおじさんたちがリタイヤして一斉に地域に戻ってきている。とはいえ仕事一筋だった彼らの多くは、地域でのつながりは希薄で地域活動への参入は思いの外ハードルが高い。いきなり地域ボランティアを!と声掛けしても尻込みされ引かれてしまうのが落ちである。まずは一杯やって気心が知れてから・・・というわけで始めたちょい呑みオヤジ会が思いの外順調に広がった。12人でスタートし1年半で38人にまで膨れ上がった。
 子どもたちの親離れが始まったり、子育てを卒業したりする40代、50代のお母さんたちはパート勤務を始めながら地域にも多少関心をもち始めている。子育て卒業後の長い人生をどのように過ごすか。趣味や生きがいややりがいに想いを巡らす。費用の掛かる趣味やサークルはまだゆとりがない。高齢社会の現実はいやでも目についてくる。明日は我が身の問題なら少しでもお役に立てればとも思う。そんな気持ちで少しずつ地域活動に関わってもらえる子育て卒業間もないお母さんたちがでてきた。
 上記の新たな二つの層が今後どれだけ参入してもらえるか。また彼らが参入しやすい環境を地域でどのように準備できるかが当面の大きな課題ではあるまいか。