我が身を襲った災厄の始まり2007年01月24日

 昨年の12月20日、我が身を襲った突然の災厄に愕然としたものだ。2-3年前から右手親指の爪の内側が黒ずんでいた。単なる打撲の内出血だろうと高を括って放置していた。痛み等の自覚症状も全くなかった。ところが黒ずみはだんだんと増殖し爪を持ち上げるまでに膨らんできた。これは尋常ではないとさすがに不安に駆られてきた。
 12月19日、職場の最寄の皮膚科で初めて受診した。「爪の下の黒ずみは気になる症状で、大病院での精密検査が必要」とのこと。翌20日、紹介された大阪市大病院の皮膚科外来で診察を受けた。外来初診の女医の「異常な症状で悪性の恐れがある」との診断に言いようのない不安が募る。 そのまま専門医に引き継がれて再診される。「悪性黒色腫という一種の皮膚癌の疑いが極めて高いのでそれを前提に精密検査をします」「指先の切除手術は避けられず、1ヶ月以上の入院が必要です」
 ガーンと頭を殴られたかのような気分とはこういう場合をいうのだろうか。何ということだ!深刻な病がいつの間にか我が身を蝕んでいたのだ。「悪性?」「黒色?」いかにもオドロオドロしい響きの病名ではないか。「生死にかかわるような症状なんですか」。抑えきれない心の動揺に上ずった声で尋ねる私に、若い専門医は冷静な口調で答えた。「内臓への転移の有無や度合いでその懸念もあります」「検査結果次第です」

 長くなるかもしれない私の闘病生活の始まりのひとこまだった。以来、ブログを更新する気力も失せていた。
 今日、市大病院での診察があった。昨日の胸部CT検査の結果が知らされた。「懸念された肺と両腋下リンパ節への転移は見られませんでした」とのこと。ヨカッタッ~。あとひとつ26日のPET検査が残されているものの、ひとまず最悪の事態は避けられたようだ。
 一息ついてようやくブログに向かう気力が湧いてきた。この際、冷静に我が災厄と向き合ってみるのも悪くない。ふと先人の残した格言が浮かんだ。「禍福はあざなえる縄の如し」。ヨッシャー!これで行こう!