富士山11景大周遊(二日目)2014年09月18日

 富士山ツアーの二日目である。例によって早朝の年寄りタイムの目覚めだった。河口湖温泉の朝風呂に浸かってもまだ朝食まで時間がある。家内と一緒に朝の散歩に出かけた。正面玄関を出ようとしたらフロントのオジサンに声を掛けられた。「散歩だったら裏口から出て河口湖大橋方面からの富士山の眺めが絶景ですよ」。結果、このアドバイスが大正解だった。
 河口湖大橋の中ほどで振り返った。そこには今回のツアーで初めて目にした富士の雄大な全貌が鎮座していた。 昨日とは打って変わった晴間の富士には一点の雲もかかっていない。前面の河口湖の湖面には湖畔の樹林とともに逆さ富士が映しだされている。息を呑むような絶景だった。
 ホテルに戻り朝食を摂った。品数は多いが素材はイマイチの和定食だった。8時20分にホテルを出発したバスは10分足らずで富士急・河口湖駅に到着。風情のある木造駅舎の前にはリタイヤしたレトロな電車が保存され背景には富士の姿が見えた。この絶好の組合せをシャッターに納めた。河口湖駅から二駅先の富士山駅まで乗車した。電車からの富士の展望を満喫した。途中駅の富士急ハイランドのジェットコースターを始めとした遊園地風景も愉しめた。
 駅前に待機したバスに乗り込み富士山五合目に向かった。45分ほどかけて富士スバルラインを走り抜け五合目に到着した。さすがに世界遺産登録間もない富士山の一角である。その観光客の多さに驚かされる。レストハウスの最上階の展望台に出た。残念ながら間近に迫る筈の富士の頂きは雲間に隠れて影も形もない。バス車内でガイドされたアルプスの山並みも展望が叶わない。登山口入口のレストハウス展望台に上った時だ。あれほど厚く覆われていた雲がいつの間にか移動し、束の間の頂きの姿を見せた。山の天気の移ろ気に感謝である。30分余りの滞在で下山バスが出発した。
 到着したのは、ツアーお決まりの土産物店のひとつ「河口湖宝石の森」だった。45分もの長時間を電磁波ネックレスなどの長口上にお付合いした。リーズナブルツアーの税負担と思って過ごすしかない。
 河口湖畔の鹿皮製品販売店の印傳館で「清流そば御膳」の昼食を摂った。店員さんは飲物注文を聞きに来ない。誰も注文もしないで黙々と箸を動かしている。思い余ってカウンターに行きビールを注文した。アサヒスーパードライの缶ビールが300円で提供された。途端に同じテーブルのオジサン二人も追従した。
 昼食後、最後の観光スポット山中湖に向かった。富士五湖最大の湖だが最も俗化した雰囲気を漂わせている。観光スポットからは湖面と富士を一緒に眺望できないハンディもある。巨大な鯉の群れが水際を餌を求めて群游していた。
 13時40分に帰路に着いた。出発地の神鉄岡場駅前には20時40分に到着し7時間に及ぶバスの旅を終えた。