脱皮できない我が身の愚かさ2014年09月09日

 前回のボランティアコーディネーター会議で困り事支援の有償ボランティアがテーマになり、会議の責任者と一緒にタタキ案を検討することになった。あるべきイメージが念頭にあったので早速、Å4サイズ1頁のタタキ案をまとめ、関係者お二人にメール送信した。
 お一人から返信メールでコメントをもらった。地域活動でのかねてから気になっていた私自身の本質的な問題点を鋭く指摘された内容だった。特に以下の指摘は身に沁みた。
 「細部にわたる提案は、一定の固定観念を植え付け、そこから逃れられなくなりそうです。面倒なようでも、あるいは『おばさんの会議』といわれようとも、皆さんの意見の中から徐々に組み立てるという試みも必要かと思います」
 「おばさんの会議」での提案という重要な点を考慮しない現役時代のビジネス感覚そのままの提案だったと反省した。現役時代の提案では成果とスピード感が重視され、細部にわたって多面的な検討を加えた完成度の高い内容が求められた。その面ではそこそこのレベルの能力を発揮し、成果もあげていたという自負もある。その成功体験を今の地域活動でも引きずっていることに気づかされた。
  水野和夫著「資本主義の終焉と歴史の危機」の書評の中で、これからの「定常化社会」に向けて「より速く、より遠くへ、より合理的に」という近代資本主義を駆動させてきた理念を逆回転させ、「よりゆっくり、より近くへ、より曖昧に」と転じなければならないという点に共感し、老後スタイルでの応用を心したばかりだというのに・・・。脱皮できない我が身の愚かさを思い知った。