コロナワクチン10の質問--長尾医師のブログから--2021年04月17日

 コロナワクチンのリスクに関する報道がめっきり減ったという。いたずらに不安をあおってはいけないということのようだが、ワクチン接種に不安を覚える人も少なからずいるのも現実だ。そんな時、信頼する町医者・長尾和弘医師の「コロナワクチン、患者さんからのよくある質問 10個」という記事を読んだ。要約して紹介したい。

①アナフィラキシーの副反応が不安だ
 アナフィラキシーとは、ワクチン接種直後に激しい免疫(アレルギー)反応がおきて血圧の急低下する命に関わる副反応で、どんなワクチンでもある一定頻度で起きることが分かっていま す。コロナワクチンに よる日本人のアナフィラキシーの割合は極めて低いようですが、本当のところまだよく分かっていない部分もあると思い ます。
②長期的な副反応がよく分からない
 ワクチンによる長期的な副作用に関しては年単位の時間が経ないと よく分かりません。コロナワクチンの日本人への長期的な副反応はよく分かっていませ ん。何種類かあるワクチンにどんな違いがあるかも不明です。
③誰から打つのか?
 誰から打つのか?という質問を毎日受けます。まあお国が決めることなので「知らない」としか回答できません。ただ僕は要介護高齢者から打つべ きと 考えます。
④どこで打つのか?
 集団接種の場 合、感染者が急増している都市では接種会場でクラスターが発生しないのか心配です。かかりつけ医での 個別接種でいいと思いますが、低温管理と振動の問題でよくないとのことです。尼崎市では個別接種ができるそうです。5月中旬から予約が始まり、5月下旬から高齢者の接種が始まるそうです。
⑤ワクチンは選べるのか?
 当初はファイザー社のワクチンの2回接種と言われていましたが、数が足りないのか、 モデルナ社、アストラ社、そしてJ&J社などのワクチンも加わり、「選べないのでは」と いう 話も出ています。 4つのワクチンは接種回数や効果や重篤な副反応などに差異があるのかも「よく分かりません」と答えるしかありません。 しかしどれを打つか患者は選べない、とのなれば、さらに悩む人が増えるのでしょ う。
⑥アストラ社ワクチンの血栓症死亡例についての質問
 アストラ社ワクチンを打って血栓症で死亡したというニュースが流れました。 今後、血栓症で死亡した時に、コロナ血栓症なのかワクチン血栓症なのか鑑別が困難な事例が出るかもしれませんね。この質問にも残念ながら答えられません。
⑦ワクチンによる感染予防効果はどれくらいなのか
 ファイザー社ワクチンの有効性は95%とか言われていますよね。 これはワクチンを打てば死亡者が95%減るものと理解していますが、感染予防に は、どの程度の効果があるのでしょうか。欧米ではデータがあるのかもしれません。しかし日本人でのデータを僕は知りません。だから「よく分かりません」と答えています。欧米と日本で感染率や死亡率が、50~100倍異なります。欧米のワクチン接種の効果に関するデータがそのまま 日本人に当てはめてもいいのかどうか分かりません。
⑧本当に抗体はできるのか?
 これもよく分かりません。基本的なこととして、ワクチン接種=抗体獲得、ではありません。 まったく抗体を獲得できないけども何らからの効果がある人が沢山いるわけです。今の状況では多くの市民や医療従事者も「ワクチン接種=抗体獲得、だからもう感染しない、免疫パスポートがある」と思っているようですが、それは誤解ではないでしょうか。
⑨ワクチン差別を受けないのか
 ある病院では「院長が打ったから職員は全員打て!」という空気が蔓延しているそうです。医療従事者も任意接種のはずですから明らか にパワハラでしょう。 またある施設では、施設長が「ワクチンを打っていない医療従事者は出入り禁止」と 言っているそうですが、これは明らかに「ワクチン差別」ではないでしょうか。日本はコロナ差別に続く 「ワクチン差別」という大きな問題に直面するのでしょう。しかしワクチン差別に関する報道も法的議論も耳にしません。現在は、打つことに必死という段階です。
⑩自由な議論が封殺される「空気」への恐怖に関する質問
 ワクチンに関して専門家以外の人がこうして意見を述べることが規制されてい る 現状をどう受け止めればいいのか。ワクチンに関する厳しい言論統制に関して誰も声を挙 げ ない状況にこそ「危機」を感じる患者さんは意外に多くおられます。