あるひとり住まいの高齢男性の死2022年04月18日

 先日、民生委員として担当するあるひとり住まいの高齢男性が自宅で亡くなったことを知った。孤独死だった。
 30代で関東勤務になり、定年となって4年前に30年ぶりに我が家に戻られたが、自宅に戻られた4年前から民生委員として毎年秋に訪問していた。
 昨年6月頃に、ご近所さんからの異常な振る舞いについての情報がもたらされた。路上で大声を上げながらの徘徊しているとかガレージ前にゴミが散乱したまま放置されている等の苦情だった。すぐに訪問して話を聴いたが「農協の囲碁将棋倶楽部に通って寂しさを紛らわしている」といった話題の雑談を交わしたが、至極正常で特段の懸念はなかった。その後、ご近所さんから「寂しさからかアルコール依存症となり年金の殆どが費やされているようだ」という情報を聞き、何度か訪問したがいつも玄関ドアは施錠され留守だった。ただご近所さんから夜には在宅している姿を見かけるという情報はあった。ところが長く姿を見かけないことから、ご近所さんが地元の交番に事情を告げて相談された。そして警察官が訪問して初めて自宅での死亡という消息が判明した。高齢者とはいえまだ70歳前である。緊急通報等の備えはない。心不全等の突然死としか思えない。
 担当の民生委員として忸怩たる思いは拭えない。もっと深く関わるべきではなかったかという思いが募る。あらためて独居高齢男性の見守りを痛感した。ご近所づきあいが希薄な方が多い。それでいてひとり住まいの人寂しさが募るに違いない。アルコール依存症に陥る懸念は大きい。そのためますます人づきあいが遠のくことになる。
 地区民児協の場で独居高齢男性の見守りについての警鐘を鳴らさねばと思った。