介護卒業のおひとり様の居場所2022年06月23日

 月1回の介護者の会があった。初参加者1名を含めて5人の80~90代のご婦人方の参加があった。皆さんご主人の介護を終えた介護者OBのおひとり様である。支援者も70代~80代の3人で男性は私だけだった。
 初参加者は息子さん家族が住む住宅の隣接する離れでの独り住まいである。同じ年代と境遇のおひとり様たちのおしゃべりの会がいたく気に入られたようだ。満面の笑みを浮かべながら「こんな楽しい会があったんや。もっと早く来てたらよかった」とありがたい感想を頂いた。続いて「こんな場所で言うのも気が引けるけど・・・」と前置きして、半分同居の息子さん家族との愚痴や嬉しかったことが一気に吐露された。日常の行き来のないお嫁さんとの関係、そのことに避けている息子の不甲斐なさ、結婚したばかりの孫たちのやさしさ等々。連れ合いをなくした高齢女性のありふれた納得感のある日常の機微が伝わる。彼女にはそうした思いを気兼ねなく吐露できる場所こそかけがえのないものなのだろう。
 施設から退所したばかりの90代のおひとり様からも「多少の不自由はあっても我が家での生活を続けたい」と思いが伝えられる。近所に住む息子さんの懸念を振り切っての施設退所のようだ。彼女にとっても介護者の会は思いのたけを吐き出せる心地よい居場所になっている。
 「介護者の会」という名称はやっぱり馴染まない。「介護者OBの会」か高齢女子の「おひとり様の会」というのが実態である。
 それ以上に気がかりなのは高齢男性のおひとり様である。今春に高齢男性のおひとり様の孤独死という事例に遭遇した。高齢男性のおひとり様の会こそが必要ではないか。

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