市社協の次期地区福祉計画策定提案で思ったこと2021年03月16日

 市社協の北部5地区のエリア会議が山口公民館で開催された。各地区2名の代表10名と市社協6名が参加した。
 年度替わりで補助金・助成金の報告、清算、申請等の説明もあったが、主たる議題は今年度で終了する第8次地区福祉計画の次期計画策定に向けての市社協の提案と意見交換だった。
 市社協から第9次地区福祉計画策定に向けて従来にない新たな提案があった。地区福祉計画策定を「多様な人・団体・世代の意見を聞く・話し合う・出会う場づくり」としたいという点である。これには二つの狙いがこめられていると思われた。第1点は従来のともすれば高齢者福祉に偏りがちな計画を多世代の多様な層を対象とした計画にしてほしいという点である。第2点は計画策定に当たって地区社協内の検討にとどめることなく地域の他団体、当事者グループ、NPO、活動グループ等にも幅広く参画を求めるという点である。地域づくりという計画を地区社協の枠を超えて地域ぐるみでつくりあげようという、いわば「地区社協の福祉計画」から「地区の福祉計画」への脱皮を求めたものと言える。その意味で二つの狙いは策定過程では一体化したものとなる。
 問題は提案実現についての具体性やリアリティの希薄さにあると思えた。多様な層を対象とした計画には異論はないが、そのために地区社協の枠を超えた話し合いの場づくりは地区の現場では現実的にはハードルが高い。計画策定だけの趣旨で多様な団体・グループの話合いの場を設定するには無理がある。可能性があるとすれば多くの地区で設置されている地区ネットワーク会議でのテーマとして提案することだと思えるが、その点の市社協からのコメントはない。地区ネットワーク会議の趣旨や構成メンバーとの乖離があるということかもしれないが、場合によっては構成メンバーの見直しを含めた検討があってもよいと思える。
 コロナ禍で地区社協活動の見直しが迫られている。地区福祉計画策定を通して地区社協活動の活性化に向けた新たな着手の契機としたい。