さくら会10月例会「囲碁と右脳」2006年10月26日

 異業種交流会・さくら会の10月例会が「囲碁と右脳」をテーマに開催された。川島代表幹事紹介の、(有)フューネック代表取締役の藤牧昇さんが講師である。同社は囲碁を教材とした教育関連のコンテンツ配信を主な事業とする会社のようだ。
 周到に準備された資料を中心に1時間に渡るスピーチは、私のような囲碁に馴染みの少ない者にとってもじゅうぶんに興味深いものだった。
 スピーチは、少年ジャンプに連載され子供たちに囲碁ブームの火をつけた「ヒカルの碁」、韓国が生んだ天才棋士イー・チャンホ、中国での驚異的な囲碁教育の状況等の魅力的な話題を「話の糸口」にしてスタートした。
 続いて4千年の歴史を持つ囲碁の日常生活との関わりが語られる。「局(つぼね)」「大局」「結局」「駄目」「上手・下手」「玄人・素人」等の日常用語は全て囲碁用語だった。チェスの10の120乗、将棋の230乗、に対し、囲碁の768乗の世界は、解析不能で今尚コンピュータでソフト化できない奥行きを持っている。
 いよいよ「囲碁と右脳」の本題に入る。氏が世話人の中心メンバーとして事務局を引受ける「囲碁教育研究会」の研究成果も踏まえながら、いかに「囲碁は右脳をきたえる」かが語られる。左脳は言語、論理、文字などの理性的な知的活動を、右脳は直感、音楽、図形などのイメージ的な知的活動を司る。囲碁の「布石」「中盤戦」「寄せ」の各段階の展開の在り方と脳機能の関連が説明される。対局の構想を練る布石では右脳の働きが大きい。終盤の寄せは一目の大小を争う算数の世界で左脳の働きが大切だ。白黒が入り混じって争う中盤戦は左右の脳のフル稼働が求められる。
 コンピュータ囲碁世界大会が開催されるなどコミュニケーションツールとしての囲碁があらためて注目されだした。囲碁は子供たちの感性を養い、脳を鍛える。老人たちのボケ防止にも有効だ。藤牧さんの囲碁普及に賭ける情熱的な結びが印象的だった。
 起承転結が明快な左脳の働きを駆使した藤牧さんのスピーチだった。

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