山口公民館講座「名塩道路拡張工事の現状と予定」2013年07月05日

 久々に山口公民館講座を受講した。「名塩道路拡張工事の現状と予定」と題して国土交通省兵庫国道事務所調査課の東久保正徳という専門職の方の講演だった。
 山口町や塩瀬町の西宮北部在住者にとっては、山口と宝塚を結ぶ国道176号線(通称「名塩道路」)は、通勤・通学、生活道路として馴染み深く利用頻度の高い道路である。近年、沿道の宅地開発が急速に進むにつれ、朝夕の交通渋滞が深刻になり日常生活に及ぼす影響も大きくなってきた。名塩道路の拡張計画の事業化が決定されたのは今から28年前の昭和60年である。以来、工事は行われてはいるものの遅々として進まない。一部区間は供用されたものの渋滞解消には遠く及ばない。
 そんな状況下での今回の講座だった。会場の山口公民館には40数人の受講者が詰めかけ、関心の高さを窺わせた。「工事の現状と予定」についての話が約30分で終了した。事業計画の概要、事業の経緯や進捗、事業の整備効果、今年度の工事概要などである。とりたてて注目すべき内容はなかった。用地買収はほぼ完了したが一部残っている。赤坂付近の中国道の工事で地滑りが発生したため平行する名塩道でも追加の対策用地確保や工事が必要になった。武庫川河川工事との調整や名塩八幡トンネル等の工事絡みの遅れもある。財政逼迫という環境下での予算確保という難問もある。これらの工事遅延の背景が具体的に語られた点が目新しいといえようか。
 メインテーマを終え、質問時間が設けられた。早速、住民の最も知りたい質問が飛び出した。「結局、計画完了はがいつになるのか」。十分想定されたこの質問にも、回りくどい説明があったものの、重ねて尋ねられてようやく具体的なメドが漏らされた。「平成30年の完成に向けて何とかしたい」というものだった。
 15分ばかりの質疑の後は、「道路とは」とか「騒音対策」などのメインテーマを大きく外れた話に終始した。テーマがテーマだけに踏み込んだ話は期待する方が無理とはいえ、消化不良な講演だった感は否めない。