橋桁落下事故の地域への甚大な波紋2016年04月29日

 新名神道路工事の橋桁が国道176号線に落下するというとんでもない事故が発生してから一週間余りが経った。事故現場は自宅から歩いて30分程度の近距離にある。以来、三田に抜ける交通量の多い幹線道路が通行止めとなった。その影響が地域に甚大な波紋を投げている。
 有馬川に架かる天上橋を渡った先に天上橋交差点がある。この交差点から三田方向に向かって交通規制が始まっている。片側二車線の中央車線に「この先通行止め」「名来地区の店舗は通常営業中」の二つの看板が立てられている。宝塚方面からの車両がこの交差点を超えると三田方面に抜けるのは難しい。交差点を左折してすぐにある中国道の西宮北インターに入るか、更にその先の三田~有馬線の県道を利用するほかない。この交差点から事故現場までの2.5kmほどは実質的には通行止めとなっている。
 この通行止めがこの区間の沿道沿いの地域に甚大な影響を及ぼしている。ひとつは国道沿い店舗の営業不振である。今朝の早朝散策で有馬川堤を天上橋袂から北に向かういつものコースを歩いた。愛宕橋を渡った先にコンビニエンスストアのサークルKがある。連休の朝である。通常なら三田方面に向かうマイカー客で駐車場は埋まっている。ところが今朝は駐車場には従業員用の車が2台あるだけ。面識のある女性の店主が駐車場を清掃する寂しげな姿が目に入った。行方不明者発生時の捜索協力で積極的な協力に応じて頂いた方だ。思わず「大変ですね~。頑張ってください」と声をかけた。南に折り返してマクドナルドに入った。顔馴染みのスタッフに様子を聞くと、「売り上げはとんでもないほど落ちてます。特に朝の客数が激減している」とのこと。
 沿道沿いの名来地区に入る道筋には「地域内道路につき通り抜けご遠慮ください」の看板があちこちに立っている。抜け道を求めて生活道路に侵入する車両の多さに悲鳴を上げる住民の姿が目に浮かんだ。
 ある日突然襲った人災のダメージが容赦なく降りかかる。自身には何ら落ち度のない理不尽な災厄である。行き場のない怒りが募っていることだろう。何とか通行止め解除になるまで頑張ってほしいと思わずにはおれない。