漂流キッズ2018年06月24日

 今期から福祉ネットの事業目的に「子育て支援」を追加した。福祉ネット総会直後の第1回役員会で初めて「子育て支援」についてフリートーキングを交わした。今まで気に留めていなかった「子育て問題」の深刻さを思い知らされた。
 役員会に初参加のPTA派遣役員から、保護者の共働き世帯やシングルマザーの多さが報告され、放課後の子どもたちの居場所のなさが保護者の深刻な悩み事であることを知った。学童保育(育成センター)は3年生までしかなく4年生以降の公的な受入れ先がない。やむなく様々な塾や習い事に通わせることになる。どこにどんな塾や習い事の場があるのかという情報収集が切実な問題だという。
 ある学習塾の運営責任者である知人からも塾に通う生徒たちの実情を聞かされた。所定の授業とは別に塾の自習室で過ごす子どもたちが多いという。親たちの帰宅時間まで自習したり塾仲間たちと時間を潰すためだ。
 先日の市社協評議員会でも受託している育成センター事業の運営の厳しさが報告された。利用希望者の増加が著しく市は育成センターの増改築でクラス増と定員増をはかろうとしている。ところが受託事業者側では待遇面の低さもあって指導員の確保が追いつかない。慢性的な人不足状態で定員増に応じがたい現状である。
 今後も放課後の子どもたちの居場所問題の深刻化が加速しそうだ。子どもたちが放課後の居場所を求めてさまよっているかのように見える。「漂流老人」のイメージがオーバーラップしてふと『漂流キッズ』という言葉が浮かんだ。子どもたちの環境のこんな苛酷さが心身の成長に影響を及ぼさない筈はない。

オヤジたちが子どもの放課後居場所を熱く語った2018年06月25日

 38回目のちょい呑みオヤジ会に13名のオヤジたちが円卓を囲んだ。乾杯の後、恒例の店主の「本日の献立」紹介があった。鱧をメイン食材とした献立紹介に「夏来たり 鱧皮したの あぶらかな」という一句が添えられた。
 事務局報告では私から以下の三点を報告した。①福祉ネット総会が開催され事業対象に「子育て支援」を追加し、新たな構成組織に小学校PTAが加わった。②8月25日10時からケアニン上映会が山口公民館集会室で開催される。③先日、さくらFMの生放送に出演し「リタイヤオヤジのセカンドライフ」をテーマにちょい呑みオヤジ会等を紹介した。
 事務局報告の後、進行役から①のテーマの「漂流キッズ(放課後に居場所がなくてさまよう子どもたち)」の話題にツッコミが入ったことをきっかけに参加者たちから「子どもの放課後居場所問題」が次のように熱く語られた。
 居場所の問題だけでなく子ども同士の仲間づくりができていないことが問題ではないか。丸山登りをする二人の仲良し女の子がいるが、きっかけや情報次第では仲間づくりは可能。オヤジ会メンバーの市民農園で子どもたちを招いて一緒に農作業してはどうか。夏休みになるとコンペに参加しないゴルフ仲間が孫の守りで忙しくなるからと言っている。放課後子供教室が中断しているが再開できないか。経済的にも時間的にもゆとりのない子育て世代を両方にゆとりがある祖父母世代がサポートする仕組みづくりが必要、等々。

歩いた距離は地球一周の三分の二2018年06月26日

 早朝ウォーキングが日課になって久しい。リタイヤを意識し始めた60歳頃には毎朝の散歩を始めていた記憶がある。ブログ記事という個人的な記録では62歳の時の大病による入院中にも欠かさず1日1万歩をめざしたという記事がある。
 正確な記録をとりだしたのは2010年3月からだ。まもなく65歳を迎えようとする頃でリタイヤ生活3年目を迎えようとしていた時だ。PCファイルには毎日の歩数が体重、体脂肪、朝晩の血圧とともに克明に入力されている。
 思いついてブログネタ用にこのデータを整理してみた。ウォーキングの累計日数は8年3カ月で延3040日(A)である。1日の平均歩数はExcelのAve関数で算出すれば1万2千461歩(B)だった。少し多い感があるが旅行などで1日2万歩近く歩くこともままありそれらが加算平均されるのでこんなもんだと思える。一歩の平均距離は過去何度も計測した経験値で約70cm(C)と推定できる。以上の結果、8年3カ月の累計歩行距離(A×B×C)は2万6千517Kmと判明した。
 この歩行距離は4万75kmの地球一周距離の66.2%でほぼ三分の二の距離である。地球一周距離を達成するにはこのペースでは12年7カ月を要することになる。残り4年3カ月であり、到達年月は2022年9月ということになる。77歳4カ月の歳に無事地球一周の距離を歩いた記念すべき日を迎えられるだろうか。

山本周五郎著「彦左衛門外記」2018年06月27日

 山本周五郎著「彦左衛門外記」を読んだ。文庫本裏表紙の作品紹介では「天下のご意見番として名高い大久保彦左衛門の虚像を暴いた風刺と虚構を織り交ぜた奇想天外、捧腹絶倒の異色作」とあった。
 読み終えてこれほど期待外れで落胆させられた作品はあまり記憶にない。途中で何度か読むのを止めようかと思ったが、そのたびにここまで読んだのだからという惰性で読み終えた感がある。
 何が問題なのか。物語のテーマ性が希薄である。大久保彦左衛門の虚像を暴くという他愛ないテーマしか見当たらない。物語性にも乏しい。主人公と彦左衛門の奇行、愚行が延々と繰り返されるばかりという印象が強い。
 解説氏は当然ながらこの作品に高評価を与える。曰く「既成の小説を否定する大胆な小説技法」「物語や伝説の成立の秘密をユーモラスに風刺」「小説の方法的冒険を確かめようとした痛快なたのしい真面目な小説」。同意し難い評価である。

有馬病院長インタビュー2018年06月28日

 福祉ネット広報紙の第7号の編集に着手した。前号に引き続いて今号でも福祉ネット・オブザーバーの有馬病院の病院長インタビューを掲載することになった。
 その取材のため事前にアポを入れて有馬病院を訪問した。明るい開放的な病院受付で来意を告げると担当者に会議室に案内された。穏やかな雰囲気の病院長とのインタビューが始まった。事前に届けておいたインタビューポイントに沿って取材を進める。
 1時間ほどの取材を終えてこの病院の過去と現在の沿革を想った。60年前に精神疾患専門病院としてこの地に開設された病院である。地区社協の20年誌に掲載された写真には、開発が着手されたばかりの住宅街の造成地の手前に有馬病院の白亜の建物が写されている。以来30数年が経過した。既存の精神病院と後からやってきた新興住宅街の住民との間には複雑な関わりが介在しただろうことは想像に難くない。7年前には本館の全面改装とリワーク病棟の新設が完了し外観の印象も一新された。
 インタビューでは病院の地域医療との関わり方をお聞きした。山口健康福祉センターの相談活動での医師派遣、通院患者の訪問看護、地域の研修会での講師派遣や病院での研修受入れなどが紹介された。秋の収穫祭は患者や家族だけでなく地域住民にも開かれたイベントとして催されている。
 何よりもうつ病や認知症といった精神疾患がますます地域住民にも身近で切実な問題になってきた。それだけにこの病院と地域住民との結びつきは年々密になっているようだ。建物や内装の明るくてオープンなイメージをオーバーラップさせながらそんな印象を強く受けた。

JAのなんばグランド花月観劇と黒門市場散策ツアー2018年06月29日

 JA兵庫六甲に年金口座を持っている。その年金受給者対象のバスツアーの案内があった。行先はなんばグランド花月の観劇と黒門市場のショッピングで、お弁当の昼食付き6500円というお手軽ツアーである。早速、ご近所のご夫婦と一緒に申込んだ。
 ツアー当日の朝9時、住宅街のコミセン前をツアーバスが出発した。なんばグランド花月近くの車道でバスを降り歩いて数分の劇場前に到着。10時20分にはバス2台56名の参加者が添乗員からチケットとお弁当を受取って開場した劇場に入場した。渡されたチケット番号G14は1階席の前から7列目中央の絶好の観劇席だった。
 11時の開演前に若手芸人たちのショーを観た後、いよいよ開演を迎えた。11時から12時半までの前半は、5組の漫才と各1組の落語、ジャグリング、コントが演じられた。漫才では海原やすよともこを筆頭に若手のアインシュタインが楽しめた。ベテラン勢ではのWヤングが頑張っていると思えたが、大木こだまひびきのマンネリ感と中田カウス・ボタンの嫌味な芸風に眠気を誘われた。若手パフォーマーのもりやすバンバンビガロのジャグリングや桂小枝の落語もなかなかのもので楽しめた。坂田利夫メインのコントは笑えないギャグ乱発のスタイルで退屈だった。
 前半終了後の休憩中にプラスチックの専用弁当箱「吉本大笑い弁当」に盛り付けられたお弁当を食べた。芸人たちの似顔絵をあしらった弁当箱がウリの平凡な料理だった。
 後半の45分は6人の座長がプロデュースした喜劇を毎週交替で演じる吉本新喜劇である。今回の座長はおかっぱ頭のメガネ巨乳で大阪のおばちゃんイメージの「すっちー」だった。池乃めだかも出演する「すち子の、夢を叶えるギター」という喜劇だったが、ギャグ中心のドタバタ劇自体に馴染めないこともありイマイチ楽しめなかった。
 NGKから歩いて数分の黒門市場を散策した。鮮魚店を中心に青果店や精肉店など約150店が軒を連ねる「大阪の台所」である。最近はコロッケ、から揚げ、焼き魚、寿司、お造りなどが店頭で味わえる食べ歩きが人気の観光スポットに変貌している。実際に南北のアーケードをアジア系の外国人を中心に大勢の観光客が闊歩している。食べ歩きのメニューをみると総じて高い。財布の紐が緩い観光客相手の書かう設定が透けてみえる。50分ばかりの散策時間を持て余し、休憩スポットで500円アイスを食べながら時間を潰した。
 15時10分の集合時間を待ってバスに乗り込み帰路についた。16時には住宅街の出発地に到着し、リーズナブルなお手軽ツアーを終えた。

集客型イベントから訪問型よりそい事業へ2018年06月30日

 4月の地区社協第23回総会で今期の重点課題の第1に「集客型イベントから訪問型よりそい事業へ」という点を訴えた。地区社協も発足後22年を経て環境は様変わりした。ファミリー中心の人口拡大社会から人口減少化の超高齢社会への転換である。対象とする高齢者も元気なお年寄りより元気がなくなったお年寄りのウェイトが高くなっている。ところが地区社協の高齢者福祉の事業は依然として元気なお年寄りを対象とした事業が踏襲されている。そうした現状からの脱皮をめざしたのが前述の重点課題の趣旨である。
 この課題を担当する高齢者福祉部の態勢も一新された。従来の派遣役員の部長は専任役員に替わり、部員も民生委員二人と老人会派遣と老人会役員各1名の構成となった。高齢者福祉部会も既に2回開催された。テーマは9月開催予定だった「敬老のつどい」の見直しである。この点については前回の部会方針を受けて地区社協執行委員会でも最終的に見直し案が承認された。従来の小学校体育館での催し物と抽選会というイベントでなく75歳以上のお年寄り宅に地区社協メンバー全員で訪問しお祝いをお届けするという事業を実施する。
 新たな事業の実施に当たって乗り越えなければならないハードルも多い。それでも避けて通れない課題として乗り越えたい。