今なぜコミュニティスクールなのか?2021年08月04日

 先日、地元小学校の教育連携協議会に出席した。協議会代表からコミュニティスクール設置案の一環で共生型地域交流拠点づくりの事業を実施したいという唐突な提案があった。そのため議論が拠点づくりの是非に集中してしまい本来のテーマであるコミュニティスクールの在り方そのものの議論が置き去りにされた感があった。
 新たな事業の在り方を協議する場合、しばしば「〇〇とは何か?」という議論が中心になりがちで、その事業の内容や概念がテーマになりやすい。それはそれで大切なのだが、何かが抜けている気がしてならない。その事業がなぜ今必要なのか。何が今求められているのかといった時代背景や環境状況が明らかにされなければ事業の本質的な方向性が見極めきれないと思う。またその事業を展開する地域特性についての把握も欠かせない。
 コミュニティスクールについていえば、その内容として「学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる『地域とともにある学校』への転換を図るための仕組み」といったことが語られる。分かったようで分からない。
 少子化やそれに伴う学校統廃合や人材不足、発達障害・不登校・児童虐待・非行・いじめ等の子供たちを巡る問題の多様化等の時代や環境変化を抜きにはコミュニティスクールの本質的な意義や在り方が見えてこない。加えてどの学校にも共通する画一的な対応では不十分だ。問題の環境要因は地域によってその深刻さや進行度合いは様々である。立地特性や地域の風土・カルチャーの違いも考慮する必要がある。
 我が町の小学校という地域特性を踏まえて、今なぜコミュニティスクールなのか?を問い直してみたい。