ヤッサンが亡くなった2010年02月19日

 昨日、コメディアンであり俳優だった藤田まことの死亡が伝えられた。私たちの世代にとってテレビというものに夢中にさせた最大の功労者ではなかろうか。ようやくテレビが我が家の茶の間にやってきたのは高校生の頃だった。当時放映されていた白黒番組「てなもんや三度笠」に一気にはめられた。主人公・あんかけの時次郎と珍念の掛け合いにテレビの楽しさを満喫させられた。 
 次に藤田まこととテレビ番組でお付き合いしたのは「必殺シリーズ」だった。晴らせぬ恨みを晴らす闇稼業の仕事人が主役の時代劇だった。既に一男一女の父親となりマイホームのぬくぬくとしたリビングで異次元のピカレスクロマンに魅せられ、見逃した時のビデオは欠かせなかった。
 直近のお付き合いは、リタイヤ後の自宅での「はぐれ刑事純情派」の再放送版の視聴だった。山手中央署の万年平刑事の「やっさん」こと安浦刑事の人情あふれる活躍を愉しんだ。このブログでも番組評で取り上げたものだ。
  http://ahidaka.asablo.jp/blog/2009/09/15/4580706
 こうして振り返ってみると、藤田まことは私にとっても存在感のある役者だった。藤田まことファンだから見たというより、番組自体の面白さで見たという方が当たっている。にもかかわらず藤田まことでなかったらこれほど面白かったかと思わせる存在感があった。様々なシチュエーションに見事に存在感を漂わせて演じきることのできる役者だった。