団塊オヤジの故郷デビュー2010年04月10日

 先日、地域で長年様々な活動をされている方と懇談した。私より一回り近い年配の方だ。知人に紹介され会ってみるよう勧められた。連絡を取ると快諾を頂いた。「山口風土記」を通じて私のこともご存じだったようだ。地元の美味しいコーヒーを出す店で落ち合った。
 大成功をおさめた船坂ビエンナーレの責任者だった方だ。古い歴史の村落共同体意識の色濃く残る里山の街で、あれだけのイベントを成功に導いた手腕は並々ならぬものだ。お話を伺ってその訳を合点した。考え方が柔軟でセンスが新しく何事にも意欲的な姿勢が、話のはしばしに伺える。「定年まではバリバリのビジネスマンで転勤族だった。定年後ようやく故郷に戻ったが、当初は地元で必ずしも歓迎されていたわけではない。それでも幼なじみたちもいて何とか溶け込めた。以降、地域の役職を次々に引き受ける内に、いつの間にか中心的な役割をやらせてもらっていた」とのこと。
 ビジネスキャリアを積んで身につけた思考や手法が、地域活動でうまく活かされていると思った。そこに地元出身という地縁、血縁の強みが加わっている。現役時代を都会で過ごした団塊世代たちが故郷に戻るケースも少なくない筈だ。地方の活性化にとって、彼らの故郷デビューが新たな可能性を生み出すケースもあるのではないかと思った。