リタイヤおやじ二人組のたくらみ2010年04月19日

 朝10時過ぎ、チャイムが鳴った。モニターにはご近所の仲良しオジサンの姿があった。夫婦二組でトルコツアーをご一緒したご主人である。すぐに玄関ドアを開けて用向きを聞く。大型の選定バサミを手にして「奥さんに頼まれていた玄関横の槇の剪定をしておこうと思って・・・」とのこと。ありがたい申し出であった。
 元来が、庭仕事が不得手で性分にあわない。加えて三年前に病で右手親指を欠いてからは鋏を思うように使えない身となった。そんな旦那に愛想を尽かした家内は、親しい奥さんを通じて、庭仕事や大工仕事に万能なご主人の親切に甘えることにしたようだ。
 12時過ぎに一段落したところで、ダイニングに招いた。お酒には目がない人だ。冷蔵庫には何とか5本の缶ビールの在庫があった。家内はパート勤務で不在である。あり合わせの材料をチンしたりして皿に並べる程度の才覚は持ち合わせている。かくしてリタイヤおやじ二人の昼間からのプチ宴会となった。嫁からの文句がつけられようのない格好の口実を見つけたのだ。この点で二人の思惑は完全に一致していた。小一時間、世間話と近況報告に花を咲かせてお開きとなった。リタイヤ生活の愉しいヒトコマだった。