「時代は中古」を訴える花嫁姿の愛娘2010年07月01日

 東尾修・理子の親娘CMが面白い。大手中古車販売のガリバーのCMである。「ほんまにいいんだな、中古で!」とモーニング姿の親父がうろたえ気味に言う。「いいのッ!、私決めたの。パパは知らないのよ、中古のよさを。10年保証はつくし、納得の価格だし。」とウェディング姿の花嫁・理子が断固として言い返す。「もっと新しいええのあるやろ」と未練たらしく呟く親父に「いいの、中古が。」と駄目押しする娘。「中古車選ぶならガリバー~」のメッセージで結ばれる。
 巧みなCMだ。親父の狼狽の原因がバツ2の中古の娘婿・石田純一にあることを視聴者は誰もが知っている。それだけに「ほんまにいいんだな、中古で!」とオヤジが言えば誰もがドキッとして画面にくぎ付けになる。なんや、このCMは?と固唾を呑んで見詰めてしまう。中古でもいいものはいいと、毅然として言い放つ娘に、親父世代の視聴者の気分は複雑だ。頑固親父の東尾ですら娘の決意になすすべもない風情に、何やら溜飲を下げてしまう。親父の心情を重ね合わせると東尾に同情もする。「時代は中古かもしれないが、自分の娘には新車を選んでほしい」という気持ちは拭えない。それでもどこかで娘の成長を喜んでいる。
 我が家にも東尾理子に近い世代の娘がいる。ひょっとして理子と同じ選択をしたらどうしよう。やっぱり親父の心情は複雑である。