公智神社の夏祭り2010年07月08日

 昨日の七夕の夜、地元山口の氏神・公智神社で夏祭りがあった。朝の散歩で神社前を通った。境内入口の年中行事の掲示板には、「夏祭 七月七日」と祭礼の札がある。なぜか掲示板の上には境内の住人・野良猫ペペが寝そべっていた。 
 この祭礼は山口地区補導委員の定番補導活動の対象行事でもある。夕刻7時に神社向かいの駐車場に補導委員6人が集合し補導活動を開始した。車両通行止めとなった神社前の通りや境内には、多数の露店がぎゅうぎゅう詰めに軒を並べていた。露店の周囲を溢れんばかりの人出が肩をぶつけあうようにそぞろ歩きを楽しんでいる。女性の多くはゆかた姿である。とりわけ小学生の女子たちのゆかた姿が目につく。
 それにしても驚くばかりの参詣者の数である。境内の露店が向かい合う筋では、身動きできずにしばしば立ち往生する。祭礼とはいえ単に多くの露店が並ぶだけのことだ。露店を楽しむことにこれほどの人出があるものだろうか。人出の中心は子どもたちのように見える。子どもたちの楽しみに両親や祖父母たちが付き合っているようだ。
 思えば楽しみの少なかった昔に始まった祭礼の筈だ。露店に持ち込まれる数々の駄菓子や玩具やゲームに子どもたちはわくわくしてやってきたことだろう。その後、テレビやゲーム機が普及し露店の祭礼に子どもたちが魅力を感じなくなっているのではないかと思っていた。ところが目の前の光景はそうした予想を見事に裏切るものだった。子どもたちはハイテクゲームにない魅力をこのイベントに見出しているのだろうか。だとすればそれはバーチャルでないリアルな本物の手触りであり、むせかえるような人の息吹の感触ではないだろうか。
 久々に訪れた昔ながらの祭礼と露店の泥臭さに、子どもたちの郷愁への回帰のかすかな変化を見た。