数年前に自宅をリフォームした。ユニットバスを入れ替えた時に、業者サービスで浴室用の小型アナログテレビも付けてもらった。今月の地デジ化移行を見越して業者の在庫処分の意味合いもあったのだろう。
　いきさつはどうあれ、この間浴室でのテレビ視聴はそれなりに重宝してきた。カラスの行水の私はともかく、家内と娘の長風呂に拍車がかかったことは疑いない。その浴室テレビがいよいよ最期を迎える。大分前から小さなモニター画面に「アナログ放送終了まであｔ○日」というヤタラ大きなメッセージが表示され出した。
　ここに至って浴室テレビの地デジ化対応を検討した。業者に聞くと単にテレビの付け替えだけでは済まないようだ。専門業者による工事が必要でそれらを含めて１０万円ほどの費用がかかるとのこと。冗談じゃない。１０万も出せば４０インチの液晶大型テレビが買えるご時世だ。入浴中だけのテレビにそれだけの負担はどうにももったいない。ましてや大口視聴者のひとりは嫁いで家を出ている。もうひとりの大口視聴者にも決断を越える金額だ。
　かくして「アナログ放送終了まであと○日」の文字をしみじみ眺めながら、我が家の唯一のアナログテレビの最後を見送ることになった。