公民館講座「お天上山物語」2011年10月29日

 昨年、4回にわたって公民館講座「山口風土記探訪講座」を開講した。今年もそのシリーズの一環で2回開講する。今年の講座では新興住宅街の「北六甲台の今昔」に焦点を当てた。北六甲台は開発される前は地元ではお天上山と通称されていたことから「お天上山物語」を講座のタイトルとした。
 昨日の午後1時から今年の第1回講座を開講した。会場も昨年の山口公民館でなく北六甲台のコミュニティーセンターに移した。地元の北六甲台在住者にぜひ受講してもらいたいという想いがあった。36席準備した会場をほぼ満席の受講者が埋めた。お世話係の7名の公民館活動推進員の皆さんには臨時の椅子で受講していただいた。
 講座の内容は「第8講 お天上山物語」と「第9講 平尻巡礼街道」に分かれている。第8講では「山口とお天上山の今昔」を写真やマップを中心に解説し、1970年代から始った開発による町の変貌を伝えた。併せて「お天上山の伝承と史跡」を郷土誌「有馬郡誌」をもとに話した。お天上山はかって公智神社が鎮座した山であり、高塚古墳や権現坊という仏閣があったと伝承される山だった。
 第9講では北六甲台の北側に隣接して道場町に抜けていた平尻街道を取上げた。この街道は西国三十三所巡礼の巡礼街道の一部だった。名来山中の旧街道を実際に足を運んで撮ってきた写真を駆使してこの街道を紹介した。今年二回目の講座はこの街道を実際に散策する屋外講座である。そのための事前の散策コースガイドでもある。
 最後にこの町への自分なりの想いを「伝えたいこと」としていくつかアナウンスした。「北六甲台は由緒あるお天上山を開発した町」「歴史と開発の調和というテーマを考えさせられた」「反面、北六甲台が歴史と伝統の町の新たな息吹でもある」「親たちは古里を捨てここを終の棲家とした」「子供たちにはここが古里であり帰省する実家の町だ」などである。受講者の多くは地域に目を向け始めたリタイヤ世代である。「知って歩いて好きになる山口」をキャッチコピーとするこの講座がこの町を愛し良くするためのきっかけになれば有難いと結んだ。