北欧の旅⑥「ハダンゲルフィヨルドから大型客船乗船」2013年06月24日

 リゾートホテルの朝を5時前に目覚めた。例によって家内と周辺散策に出かけた。雲に覆われてはいるが何とか天候は持ちそうだ。ホテルの南に広がるフィヨルドの岸辺からホテルの背後を眺めると、山裾に小さな村の民家が点在している。その牧歌的な風景に誘われて訪ねた。村の目抜き通りのようなのどかな坂道を異国情緒に浸りながら歩いた。
 朝食の後、8時にツアーバスが出発した。しばらく走ったバスが丸太小屋の土産物店前に到着した。フォスリにあるヴォーリングの滝である。添乗員に連れられて小屋の向かって左手の展望スポットに行く。高さ300m、垂直落差182mという長大な三筋の滝が目に飛び込んだ。滝を生み出す絶壁の頂きに建つ赤いフォスリホテルの建物が美しい。案内されなかったが小屋の裏側にも撮影スポットがあり、ツアー仲間のトイレ休憩中に一人で撮影した。
 バスはフォスリから山越えして一路オスロに向かった。山並みの頂きにある荒涼たる高原が延々と続いた。点在する民家を眺めながらここの住民たちは何を生業として生活しているのだろうと考えこんでしまう。途中、ベルゲン鉄道のGeilo駅前でトイレ休憩があり下車した。鉄道開設で一気にリゾート開発が進んだという街並みを短時間散策した。
 さらにしばらく走ったバスが昼食会場のリゾート地に到着した。昼食は中華料理ということで期待も大きい。野菜炒め、サーモン、炒り卵、ライスなどが大皿で運ばれ各自で取り分けた。日本では決して飛びつくほどのレベルではないが久々のアジアン料理はやっぱり味わい深い。バスに乗車してオスロへの旅が続く。途中のトイレ休憩で湖畔のドライブインに立ち寄る。購入したボリュウムたっぷりのソフトクリームを食べた後湖畔を散策する。
 午後4時頃にオスロに到着した。フェリー発着場には、乗船する大型客船DFDSシーウェイズの巨体が接岸している。ノルウェー、デンマークの両首都を結ぶ国際航路の就航客船である。毎日1便16時45分にオスロを出向して翌朝9時45分にコペンハーゲンに着く。一泊二日17時間の船旅はクールズ体験にはもってこいの航路である。パスポートを提示して乗船チェックを受ける。5階の乗船フロアのすぐ上の6階窓側キャビンが指定された部屋だった。
 個人的には5年前のエーゲ海クルーズ http://www.asahi-net.or.jp/~lu1a-hdk/tabi-eige1.html 以来のクルーズ体験となる。エーゲ海クルーズでは乗客定員800人、全長163m、全幅23m、17,596トンの中型船だったが、今回のクラウン・オブ・スカンジナビア号はこれを超える乗客定員1940人、全長171m、全幅28m、35,000トンの大型船である。ドアを開けるとすぐ手前の左側に洗面とシャワー&トイレのユニットがあり、右側にクロークとライティングデスクがある。その奥の4.5畳ばかりのスペースの左右の壁に折り畳み式の2段ベッド4台がある。一方の下段だけがオープンしてソファーになっている。スーツケースから宿泊向けの準備を整えて早速船内散策に出かけた。
 キャビン前の長い通路を歩き、中央階段から上階に上がる。免税店やシーショップ、ランウンジ、レストラン、バー、カフェなどを確認しながらデッキに出た。デッキには飲食販売コーナー前のオープンラウンジで多くの船客がグラスを傾けている。ほどなくオスロの港を出航した。ランドマークのオペラハウスの建物がみるみる遠ざかった。
 夕食のバイキングも品数豊富で質が高く満足だった。食後は同じテーブルの仲良しグループと免税店にまっしぐら。免税店ではツアーグループの高齢のおばさんのハプニングが勃発したがこれは後述しよう。定番のチョコやらグミやらをまとめ買いしてキャビンに戻った。飲みに出かけることもなくそのままベッドを倒して眠りに就いた。