カミガタのお笑い2013年07月04日

 1カ月半ぶりに近所の大衆理容で散髪をした。朝一番、開店と同時に入店して15分ほどであっという間に終わった。高齢者割引で950円の格安料金である。キャッチコピー風に言いえば「早い、安い、ソコソコ」ということになる。
 リタイヤして以来、散髪はもっぱら大衆リヨウをリヨウしている。そのわけはキャッチコピーそのものである。イラチな性分は、現役時代馴染みの理髪店の時間をかけた丁寧すぎる仕事ぶりに閉口していた。リタイヤ後の限られた収入では「安さ」も無視できない。現役ではないのだから仕上がりに執着は少ない。ソコソコでよい。第一、執着するほどの髪がない。大衆理容はリタイヤ世代のツヨ~イ味方である。今日も私の後から次々と年配のオジサンたちが詰めかけた。
 ところが大衆理容にも難点はある。馴染み客ともなれば数人いる理容師たちの腕や相性も分かってくる。できれば好みの理容師にお願いしたいところだが、大衆理容はそうはいかない。順番で割り振られる。過去何度か会話や仕上がりで痛い目にあったが、料金が文句を沈黙させた。
 今日の担当は前回と同じ新メンバーの若手だった。確かソコソコの仕上がりだった。「どうしましょう?」の問いかけに「角刈り位に思い切って短く刈り上げて!」と答えた。加齢に伴って髪型の選択肢はほとんどなくなる。薄くなり細くなった髪の毛は、髪型と呼べるようなシロモノを期待する方が無理というものである。後頭部のはげ具合をエレベーターの防犯鏡で発見して以来、ひたすら後ろ髪を最上部まで刈り上げるようリクエストしている。はげ自体はいかんともしがたい。いかにそれを目立たさないようにするかが唯一の方策である。ところで仕上がりは角刈りには程遠い。角を形作る豊富な固い髪の毛がない。まばらで柔らかい髪の毛しかないのだからそれ相応の仕上がりとなる。かくして丸刈りのてっぺんだけが幾分ふんわりした髪型が無事出来上がった。結構!結構!
 「上方のお笑い」ならぬ「髪型のお笑い」の自虐ネタの一席である。

コメント

_ 和道 ― 2013/07/04 16:09

 後頭部の禿頭については私にも同様の思い出があります。現役のころエレベーターの防犯モニターデ初めて禿具合を知らされ愕然としたことを覚えています。
 この思い出は今では、真実を知るためには疑問を持って知ろうとしなければならない。真実は少し離れた場所から客観的に見なければわからない。などと仏教法話の事例としてもっぱら生かしています。

_ 明日香 亮 ― 2013/07/04 20:21

早速のリアクションをありがとうございます。同級生の多くが我々を上回るスピードで禿頭になっているのを確かめながら、よくぞ今日まで持ちこたえてくれたと感謝の日々です。
「真実は少し離れた場所から客観的に」とは、言い得て妙ですね。

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