花ちゃんの法要体験2016年02月22日

 母親の17回忌法要が加古川の弟宅で営まれた。私たち夫婦に花ちゃんとその両親を加えた5人がマイカーで訪問した。当初は兄弟夫婦四人だけの予定だったが、亡き母に里帰り出産で在宅中の曾孫・花ちゃんの姿をみてもらうことにした。
 10時半過ぎから僧籍を持つ弟によるお勤めが始まった。宗派の法要は三部の教典を休憩を挟んで1時間ほどかけて読経する。両親や親戚の法要で何度か一緒にあげたこともある経典である。弟について懸命にふりがな付きの経文を口ずさんだ。
 襖を開けた隣室には花ちゃんが弟の孫たちが使用したベビー蒲団で寝かされている。休憩以外は大人たちは法要に加わっている。その間は花ちゃんはひとりぼっちである。むずかったり泣いたりするのではないかと懸念したが杞憂だった。眠りに落ちることもなく、終始起きたままひとりで過ごしていたようだ。初めて耳にする読経のリズムが意外に合ってたのだろうか。
 法要を終えてお膳を囲んだ。缶ビールを酌み交わしながら久々に弟と仏縁の話しやら近況やらを語り合った。両親の他界後の一連の法要を終えると、お互いにそれぞれの仕事や家族の営みに追われ会う機会も稀になる。久々の会話は少しばかりの酔いも手伝って初めて語り合う話題も飛びかう中味の濃いものだった。これまで孫に恵まれなかった私たち夫婦への遠慮もあっただろうが、今回ばかりは孫の話題にも花が咲いた。
 花ちゃんのベビー服などのお土産も頂いて1時半頃には弟宅を辞去した。婿殿の運転するマイカーの助手席でナビゲートしながらほろ酔い気分で帰宅した。母親の17回忌法要という一家の節目のセレモニーを終えて着実に家族史の頁が繰られていく。