セカンドダイニング2019年07月20日

 老夫婦二人の生活では会話の機会はそう多くはない。それでもたまに相談する話題がある。「昼ごはん、何にする?」。家内にとっては日々の献立を考えるのもひと苦労なのだろう。ましてや昼ご飯ともなると手抜きしたい日もある。そんな時、近くの手軽な外食で済ませることもある。
 近くの数ある飲食店でも安定して客数を確保している店がある。単品ごとに選択する昔ながらの定食屋を近代化したチェーン店の「めしや食堂」である。我が家から徒歩数分のところにある。久々に家内と一緒に出掛けた。
 これまで家内はこの店には抵抗があったようだ。家でも作れるものをなぜわざわざ外食しなければならないのかという主婦の沽券にかかわるという気分があるようだ。それでもお盆を持ってカウンター越しの料理の数々を目にすると「へ~こんなにたくさんの品数があるんや!」と驚嘆の体。結局、二人とも旬の料理の鰻まぶしごはんをオーダーした。
 店内には大勢の来店客の姿があった。老夫婦や男性ひとりの高齢者も多い。超高齢社会を迎えて日々の食事作りが億劫になったり食材手当てが難しくなった世帯も増えているのだろう。数多い品数から自分の好みや分量を選択できるこの店はそうした需要を満たしている。
 今やめしや食堂は各家庭のセカンドダイニングの役割を担っているようだ。