息子夫婦のセカンドハウス2021年12月21日

 長男は外資系の製薬会社の営業職(MR)である。息子の勤務状況を通じて転勤・転職が日常茶飯事である製薬業界の風土を知ることになった。息子も大学卒業以来30年近くを経て10回を超える転居・転勤を繰り返している。この間、3回の転職も経験している。全て外資系の製薬会社であり、外資系製薬業界では転職はむしろジョブ・アップを意味している傾向にある。実際に息子も転職のつど待遇はアップしているようだ。とはいえ息子の嫁には10回以上もの転居転勤はかなりの精神的負担だったに違いない。
 その息子夫婦が先月にセカンドライフともいえる戸建新築住宅を取得した。転勤族として浮草のような住生活を過ごしてきた息子夫婦である。50歳を前にして老後を見据えた終の棲家を想定したとしても不思議でない。新居は息子の大学時代になじみがあり嫁の実家の沿線沿いの阪神間の海沿いにある。現在は名古屋市内の賃貸マンション住まいである。月に1~2度夫婦でこの新居での週末を楽しんでいるようだ。
 息子夫婦から招かれてその新居を訪ねた。お昼過ぎに最寄り駅近くのお鮨屋さんで合流した。お店の個室座敷に案内され、いっぱいあるランチメニューから焼き穴子丼を注文した。鮨飯に錦糸卵が敷き詰められ、香ばしい刻まれた焼き穴子がたっぷりのっている。季節のサラダと赤だしとアイスのデザートがついて1080円とお値打ち感のあるランチセットだった。
鮨屋さんから車で15分ほどのところに息子夫婦の新居があった。海岸沿いの海の見える家である。これまでの10ケ所以上の転居経験と全国を股にかけた出張先での見聞が”海の見える家”という「人生の晩年の住まいの家という夢」を育んだという。外装・内装が白で統一されたお洒落な住まいだった。定住していない住まいのまだ殺風景な室内を案内してくれた。2階ベランダから見える海の景色も眺めた。息子夫婦の晩年の終の棲家への備えを祝福した。