コロナ禍で昨年は花ちゃん一家の年末年始の帰省は叶わなかった。今年はコロナ禍の鎮静化で帰省できることになった。そこでじいちゃんばあちゃんが大津の花ちゃん宅に一足早く花ちゃんだけを迎えに行った。
　お昼前に花ちゃん宅に着いた。テレワーク中の母ちゃんの代わりに１時過ぎに祖父母が徒歩数分の保育園に向かった。保育園の玄関先で来意を告げた。先生が姿を現し事前に祖父母のお迎えの連絡を受けていたので「花ちゃんですね」と応対し、２階の保育ルームに声を掛けに行ってもらった。ほどなく先生に連れられた花ちゃんが２階から降りてきた。
　玄関先の壁際には何やらパソコンモニターが設置してあり、傍に園児の名前を書いたカードがケースに入れられて並んでいる。その横には白いボードに黒のマジックで書かれた連絡版が吊るされている。慣れない年寄り二人がまごついていると先生に教えてもらった。「その中の花ちゃんのカードをこちらの読み取り機に乗せてください」。するとモニターには花ちゃんが〇時〇分に退園と表示される。なるほど園児のタイムカードのようなものだと合点した。連絡ボードには今日園児たちの過ごし方が簡潔に書かれていた。こちらはスマホで画像に収めて母ちゃんに転送しておいた。
　久々の孫とのおしゃべりで花が咲いた徒歩数分の帰路の道のりだった。