「こども家庭庁」か「こども庁」か2021年12月26日

 ネットニュースを見ていて気になった記事がある。「こども庁」から「こども家庭庁」への名称を変更を巡る記事である。子ども政策の司令塔として2023年度に設立が予定されている「こども庁」の名称について、「こども家庭庁」へと変更する提案が自民党会合で激論の末に承認されたという。
 このことを受けて、俳優の高知東生がツイッターでつぶやいた内容が他のネットニュースで取り上げられていた。「家庭に居場所がなくても社会に居場所を作って欲しいと願った。家庭に恵まれなくても社会に恵まれて欲しい。『家庭に恵まれなかったのは君のせいじゃない』とこどもに伝えて欲しい。俺は『家庭』という言葉に敏感で、コンプレックスやトラウマが噴き出し、恐怖を感じてしまう。マイノリティーかもしれないけど、そういう人もいるんだよ。その声を聞いてくれるのが大人であり、社会であってほしい。」ツイートには3日で4万件を超える「いいね」がつき、「強く賛同します」「涙があふれました」などと共感が広がっています。任俠の男性の愛人の子として生まれ、母は17歳の時に自殺。物心ついたとき家に両親はおらず、主に祖母に育てられた高知さんは「いつも孤独だった。自分は愛される資格がないと思っていた」と幼少期を振り返ります。
 この記事を読んで胸を打たれた。単なる名称変更と見過ごしてしまいがちな出来事にこれほど重い受け止めをする人たちがいることを思い知らされた。これほど深い意味合いがあったのかと”目から鱗”の感があった。同時に「こども庁」から「こども家庭庁」への名称を変更に、こうした思いをきちんと受け止めない政治の貧困を見た。