晴れのち曇りの散歩道2009年02月22日

 連続ドラマ「だんだん」のない日曜の朝、いつもより早い早朝ウォーキングである。ここ数日の曇り空が嘘のような澄み切った青空だった。ここしばらく気分を変えていつもと違う散歩道を選択していた。今日は久々に有馬川沿いから田園地帯に抜け平田神社で折り返す定番コースである。
 田園地帯の民家の前の農道に来た時だ。庭先の二本の梅につけている紅白の蕾が目に入った。霜に覆われた真冬の風景に浮んだ鮮やかな紅白に心が踊った。明日からの散策に、日一日とふくらみを増す筈の蕾の移ろいを眺める楽しさが加わった。
 農道を真っ直ぐ進んだ行く手に母屋を中心に別棟、蔵、作業棟が囲む昔ながらの造りの農家がある。その農家の趣きがいつもと違う。銅版葺きだった筈の母屋の屋根が茅葺屋根に変り、庭先には不似合いな黄色いショベルカーが停車している。近くで見ると母屋の改築工事だった。メンテナンス困難な茅葺屋根を覆っていた銅版が取り払われ、内装壁も一部取り払われている。昔ながらの構えだった母屋が恐らく現代様式の建物に変るのだろう。またひとつ風情ある風景が失われるのか。
 華やいだ紅白の梅の蕾の後目にした民家の無粋な改築工事中の景色だった。澄み切った青空は、いつの間にかどんよりした灰色に塗りつぶされていた。変わり身の早い冬の天気が浮き立つ気分を萎えさせる。晴れのち曇りの散歩道を折り返した。