古民家の葬送2009年02月26日

 4日前のブログで散歩道で見かけた農家の古い母屋の改築工事を記事にした。しばらく散歩の機会がなかったが、今日久々に同じコースを歩いた。
 農免道路の先にくだんの農家が見えてきた。その背後からは白い煙が一筋流れている。解体工事の進展とともに吐き出された廃棄物が燃やされているようだ。農家の前の道に来た。目にしたのは崩れゆく古民家の無残な姿だった。庭先にはショベルカーで掻き出された無数の木材や竹材が積上げられている。屋根を葺いていた萱が軒先から崩れ落ちそうだ。屋根と壁だけになった母屋の暗い空洞がパックリと口を開けている。古民家に住み着いて生きながらえてきた魔物が断末魔の呻き声をあげているかのようだ。
 「おくりびと」とていない古民家の葬送を想った。