時代の流れをリンクする三つの出来事2009年09月07日

 市大病院でのCT検査の日だった。12時前に検査を終えて徒歩20分ほどのところにある出身企業の本社ビルに向った。ビル内の労組事務所を訪ねるためだ。
 現役時代、その半分を出身企業の労組役員として過ごした。1年半前にその経験を買われて、出身労組顧問の資格で労働委員会労働者委員に就任した。顧問の立場で年1回の労組定期大会では短時間の活動報告を行なうことになっている。3日後にその定期大会が開催される。今日の訪問で報告の調整をしておこうと思った。
 事務所で委員長、副委員長と懇談した。労組は今年の定期大会を機に新たなスタートを迎える。一年間の取組みを通して5000名ものパートタイマーの組合加入を果たした。名実ともに企業の働く者を代表する組織に脱皮した。その取組み結果の概要を委員長から聞いた。
 私からは最近の労働委員会の特徴的な動向を話した。取扱い事件の多くが正社員の企業別労組と使用者との集団的労使紛争から、個人加盟の合同労組による非正規社員の個別労使紛争にシフトしている点である。
 おりしも国民の圧倒的な支持を得て民主党政権が誕生した直後である。その最大の背景は、「市場原理」「自己責任」を軸とした小泉構造改革に対する審判だと思う。未曽有の格差社会を生み出し、医療や介護現場を荒廃させ、地方の疲弊を招き、環境破壊を推し進めた。国民はその悲惨な現状の修復を民主党政権に託したのだ。
 出身労組は連合に加盟し民主党政権を支える側に立っている。それは選挙応援にとどまるのみでは十分ではない。自らの寄って立つ基盤と取組みを通して国民が託した課題達成の一翼を担えれば、それは民主党政権の安定化に寄与することになるだろう。その意味で今回のパートタイマーという非正規社員の正社員を上回る規模での組合加入の達成は極めて時宜を得た貴重な一里塚に違いない。
 私が実感した労働委員会での非正規社員の個別労使紛争の頻発という現実が、民主党政権誕生の背景要因の一つをなし、出身労組の基盤強化の達成が、民主党政権の安定化に寄与する。時代の流れを構成する三つの出来事がリンクしたと思った。委員長に伝えた私のそんな感慨が共有化された。定期大会での私のスピーチの骨格が固まった。

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