「ゲゲゲの女房」が描く昔懐かしの風景2010年05月12日

 NHK朝の連続ドラマ「ゲゲゲの女房」が面白くなってきた。漫画の巨匠・水木しげるの若き日の苦節の時代が展開中である。今は昭和30年代の貸本漫画全盛の東京が舞台である。
 舞台設定が懐かしい。私の10代の小学生の時代に重なっている。ドラマで挿入される紙芝居風景は、私の幼少の思い出を呼び起こす。近所のお地蔵さん前の広場にやってきた紙芝居に10円玉を握りしめて駆け付けたものだ。紙芝居のオジサンがいつの間にか来なくなった頃には、貸本漫画が流行りだした。隣町の貸本屋に何度も足を運んで漫画本に夢中になっていた。シゲルと女房の住むオンボロ家にはちゃぶ台を中心とした茶の間がある。限りない郷愁に誘われる舞台である。
 「ゲゲゲの女房」の面白さは、そうした年代を生きた人たちの郷愁に重なっている。逆にそうした時代を知らない世代の関心度が気になるところだ。