奥さんの買物2011年10月08日

 娘が嫁いで半年近くになる。夫婦二人の老後生活も板についてきた。夕方定刻に毎日のように携帯で交わしていた母娘のおしゃべりもさすがに間が開いてきた。二人だけの生活の実像が徐々に輪郭をあらわしてきた。
 夕食の食卓では夫婦だけの会話がいやでも交わされる。昨晩の話題は「奥さんの買物」だった。二階の納戸に仕舞い込まれていた電位治療器が、奥さんの手で夕方にリビングに復活した。何十万もした奥さんの高い買い物だった。購入後一カ月ばかりで飽きてしまって埃をかぶっていたシロモノだった。知人の誰かとのおしゃべりで再び日の目を見ることになったようだ。
 そんな出来事のあった昨晩の夕食での二人の会話だった。亭主の方から切り出した。「買い物好きの君も(ここはあくまで上から目線の呼びかけである)色々買物をしたけど失敗も多かったな。そやけど一つだけ最高の買物をしたんやで」。一呼吸置いて奥さんが答えた。「お父さんのことやと言いたいんやろ!そやけどそれはお互いさまやで」。(ムムッ!オヌシできるな)。
 夫婦も40年以上やってると、お互いの腹の内は言わず語らずの領域が広がってくる。ヤッパリ夫婦二人の老後生活も板についてきている。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック