生命(いのち)みなぎる季節2015年05月31日

 快晴の青空の下を早朝の爽やかな空気に包まれて歩いた。しばらく歩くと汗ばむほどの気温が肌を包んでいた。天上橋から北側に建てられた賃貸住宅向けに近くの有馬川沿いの散歩道は舗装されている。舗装路の路肩の違和感のある光景が目についた。固いアスファルト舗装を突き破って破竹が頭を突き出していた。根元回りのアスファルトが持ち上げられ四方にひび割れが走っている。「ど根性破竹」の逞しさに舌を巻いた。
川沿いのさくら並木の枝先に真っ赤なさくらんぼうがいくつも実っていた。決して熟すことのないさくらんぼうであることを知っている。中にはもう成長を断念して黒ずんでいる実もある。それでも健気に与えられた運命を生きていた。
 名来橋を右に折れて丹波街道に合流する農道を進んだ。散歩道のお気に入りの風景が広がっている。季節の移ろいを最も色濃く映すスポットである。田植えを終えた三枚の棚田の瑞々しい鏡のような光景に癒された。
 早朝の生命(いのち)みなぎる季節を歩いた。