作った仏に魂を(交流拠点づくりに向けて)②2021年01月18日

 前回、交流拠点づくりに本質的な三つの課題を提起し、それらを克服するため、拠点づくりの根底にある環境認識とそれを踏まえた理念の共有にふれた。その具体的な内容を次のように整理した。
地域コミュニティの脆弱化
 住民の高齢化、少子化、共働き世帯化、単身世帯化の進行で自治会員の相次ぐ退会、地域団体の会員減少や役員欠員増等が顕著だ。そのため地域のコミュニティ機能が脆弱化し、高齢者、障害者、介護者、母子家庭、子育て世帯等の生き辛さを抱えた方達の見守りや支え合いの希薄化が懸念される。
市のコミュニティ再生の対応
 そうした地域コミュニティの脆弱化 に向けて西宮市でも対応が行われている。そのひとつが多額の補助金制度による共生型地域交流拠点づくりという新たなコミュニティの仕組みづくりの試みだ。それは地域福祉に関わる各種団体、役職、活動者と生き辛さを抱えた多様な住民による常設の共生型交流拠点を通じた新たなコミュニティづくりだ。
拠点づくりとコミュニティ再生の実践
 地域福祉の全関係者による拠点づくりに向けて継続して懇談を重ねることが大切だ。それこそが新たなコミュニティづくりの実践ではないか。そうして出来上った拠点は各団体・関係者の想いが籠った居場所になり、多くの関係者に支えられる拠点として機能する。
 要は、「地域コミュニティの再生」が、環境認識と危機感を共有したより高次の理念であり、前述の三つの課題もこの視点を中心に据えて協議しコンセンサスを得ることで克服可能ではないか。
 共生型地域交流拠点という仕組み(仏)に、現場の実態や想いを込めたどのような理念(魂)を込めるかが問われているのではないか。更に拠点づくりの現場の実態や想いを汲んだ制度設計の一部手直しも必要ではないか。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック