コロナ禍がもたらしたもの”分断と虚弱の加速”2021年01月29日

 2011年初頭から人類は、コロナ禍という未曾有の災禍に見舞われ、それは出口の見えないまま今なお続いている。1年を経てコロナ禍が社会にもたらす過酷で深刻な現実が見えてきた。
 ひとつは社会の分断である。何よりも感染対策上のソーシャルディスタンスは人と人とのつながりの分断をもたらしている。加えて感染者や医療・介護従事者を不当に非難し差別するという分断がある。経済活動と感染対策の優先順位を巡る葛藤は、現役世代とリタイヤ世代の分断につながりかねない。
 今ひとつは、活動自粛という名の巣ごもり生活のもたらす心身へのダメージである。現役世代にとっては在宅勤務が増え、運動不足や孤独化や家族関係のストレス等の影響が懸念されている。リタイヤ世代や高齢者には一層深刻な事態を招いている。外出自粛が身体の衰えを加速させ、社会との関りの希薄化が孤立化を招き精神的衰弱を及ぼしている。フレイル(虚弱)と呼ばれる介護生活の入り口に向かわせている。認知症当事者には認知機能の衰えを加速化させている。
 コロナウイルスの感染対策に目を奪われがちだが、その副作用ともいうべき深刻な現実にも目を向け、地区社協をはじめとした地域社会での支援が必要だ。